いつも「月刊 商店建築」オフィシャルブログをお読みいただき、ありがとうございます。
編集長の塩田です。

本日のテーマは、「聞きづらいことは、誰に聞く?」です。
店舗デザイナーさんと店舗オーナーさんに向けて書きます。
 
 

 
結論から言います。
聞きづらい話は、誰に聞けばよいか。
「雑誌」に聞いてください。

はい、これが今日の結論です。今日のメッセージです。
 
 

具体的なテーマは、「お金」と「プレゼン」です。

ちょっと長文になります。
しかも、誌面には書かないような、すごく大きな話をします。
日頃から心の底に持っている本音を書きます。
たぶん読むのがちょっと面倒です。
ですから、今日は、ご興味ある方だけお読みください。(^ ^)


「お金」と「プレゼン」の話をするために、思いっきり大きな話をしてもいいですか?
雑誌って、何のためにあると思いますか。
雑誌の役割って、何だと思いますか。
雑誌だけでなく、新聞や書籍も含めましょうか。
雑誌、新聞、書籍。それら出版物の役割って、何ですか。
 
編集の仕事をしていると、頻繁にそれを考えます。
いや、逆です。それを考えないと、編集の仕事ができないんです。
だから、毎日それを考えます。考えるというよりも、「出版物の役割って何だ?」という問いに対する答えを自分の頭の中に持っておいて、何かを判断する時に常にそれを参照する。
だから、毎日それについて、数秒ずつは考えているわけです。
おそらく、出版業界で仕事をしている人は、全員が、それを毎日(数秒ずつであっても)考えているはずです。
いや、むしろ、それを考えていない人が出版物をつくったら、危険なんです。
なぜかというと、出版物は、ものすごく大きなパワー(影響力)を持っているからです。
その意味で、包丁や自動車と同じですね。
良い使い方をしても、悪い使い方をしても、大きな効力を発揮してしまう。
だから、悪い使い方をしないように、使う人は倫理観を持っていないといけない。
「出版物の役割って何だ?」と考えるということは、出版業の倫理を考えるということですね。
  
  
すみません、ずいぶん話が大きくなりました。
話を戻しましょう。
出版物の役割って、何ですか。
いろいろな答え方があります。
だけれど、一番大きな役割は、人々が持つ「知る権利」に応えること。
そう言ってよいと思います。
 
つまり、「知りたいこと」「知っておかねばならないこと」を、読者の皆さんにお届けする。
これが出版物の存在意義です。
では、何のために?
それは、より良く生きるため。より良く仕事をするため。より良く遊ぶため。より良く生活するため。
などですね。
  
どんなジャンルの出版物も、どんな主義主張を持った出版物も、基本的に、そのような目的に基づいてつくられているはずです。
ためしに、皆さん、今あなたの目の前にある雑誌、新聞、書籍を眺めてみてください。
どれも、そういうふうな目的に基づいてつくられているのではないでしょうか。
  
じゃ、逆に、そういうふうな目的に基づいて「いない」出版物って、どんな出版物でしょうか。
例えば、読者の「知りたいこと」「知っておかねばならないこと」を書くのではなくて、著者が書きたいことを勝手に書き散らしている本。それは、自分史として自費で出版してください。

 
 

というわけで、出版物の存在意義は、「知りたいこと」「知っておかねばならないこと」を、読者の皆さんにお届けすること。
そう考えて、日々、誌面をつくっています。
じゃ、「知りたいこと」「知っておかねばならないこと」という言葉を、少し言い換えてみましょう。
例えば、こんなふうに言い換えられるのではないでしょうか。
「聞きたいんだけれど、聞きづらい話」
「聞きたいんだけれど、聞くチャンスのない話」
「聞きたいんだけれど、誰に聞いたらよいのか分からない話」



では、話を一気に「月刊 商店建築」に戻しますね。笑
商業空間デザイナーや店舗オーナーの皆さんが、「聞きたいんだけれど、聞きづらい話」って、何だろう。
そう考えて企画をつくることがあります。企画を生み出すための発想法は、いくつもあるんです。そのうちの一つが、これです。「聞きたいんだけれど、聞きづらい話」って何だろう。そこから発想してみる。
 
 

皆さん、思い出してください。
冒頭でこう言いました。
聞きづらいことは、誰に聞けばよいか。「雑誌」に聞いてください。
なぜそう言えるのかを、ここまでで、お分かりいただけたでしょうか。
 
はい、その説明は、ここで終わりにしますね。
ここからは、思いっきり具体的に書きます。
 
 
 
「聞きたいんだけれど、聞きづらい話」って何だろう。
そう考えてつくった特集が、「月刊 商店建築」の誌面に最近三つあります。
主に、「お金」と「プレゼン」に関する特集です。


商店建築 2018年7月号 特集「D.I.Y. & COST CONTROL DESIGN 〜付加価値を生み出すコストコントロール設計手法」


商店建築 2018年7月号 特集「D.I.Y. & COST CONTROL DESIGN 〜付加価値を生み出すコストコントロール設計手法」

 
 
まず、一つ目。
商店建築 2018年7月号」。

特集「D.I.Y. & COST CONTROL DESIGN 〜付加価値を生み出すコストコントロール設計手法」です。
詳しくは、このブログに書きました。

 予算が無いと、良いデザインはできないのか?

予算が潤沢でない時に、空間デザイナーはどんな工夫をすればよいか。
そういう話です。


2018年9月号 特集「改めて、設計料を考える」


2018年9月号 特集「改めて、設計料を考える」


2018年9月号 特集「改めて、設計料を考える」

二つ目が、「商店建築 2018年9月号」。
特集「改めて、設計料を考える」です。

概要は、こちらのブログに書きました。
http://www.shotenkenchiku.com/blog/new/entry-849.html

アンケート調査、デザイナーへのインタビュー、施主への取材などを通して、設計料に対する考え方を整理しました。
ちなみにこの9月号には、「緊急特集//杉本貴志の商空間デザイン(前編)」も載っています。見逃さないでくださいね。


商店建築 2018年8月号 特集「デザイン意図が伝わる、プレゼンテーション&コミュニケーション術」

三つ目が、「商店建築 2018年8月号」。

特集「デザイン意図が伝わる、プレゼンテーション&コミュニケーション術」ですね。
あまり普段、取材中に聞くことがないのですが、今回は改めてストレートに、「いつもクライアントさんにどんなプレゼンテーションしているんですか?」って聞いちゃいました。
佐藤可士和さんや橋本夕紀夫さんに思い切って聞いちゃいました。
 
概要は、こちらのブログに書きました。
http://www.shotenkenchiku.com/blog/new/entry-843.html


商店建築 2018年8月号 特集「デザイン意図が伝わる、プレゼンテーション&コミュニケーション術」

店舗デザイナーの皆さんも店舗オーナーの皆さんも、同業者になかなか聞きづらいですよね。
「どうやって設計料、決めてるの?」「どういうプレゼンテーションすると、仕事とれるの?」って。
ところが、編集者やジャーナリストだったら、聞けちゃうんですよ。笑
質問するのが仕事だから。
忙しい読者の皆さんの代わりに、「知りたいこと」や「知るべきこと」を代行して聞いてきて、それをまとめて誌面にするのが、仕事だから。
いや、仕事というより、ミッションという感じですね。




聞きにくいけれど、聞きたいこと。
聞きにくいけれど、業務上、知る必要のあること。
そんなことを、これからも誌面に反映していきます。
そうして、日本の店舗デザイン業界が、いっそう活性化し、より良い商空間が生まれてきたら、何よりです。


今日も最後までお読みいただき、どうもありがとうございました。〈塩田〉
  


最新号は2018年9月号! 特集「改めて、設計料を考える」

 
 
 
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最新号は2018年9月号

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