18年3月号「空間とモノで魅せるクラフトショップ&ギャラリー」


こんにちは。
毎月ご愛読ありがとうございます!

今日は、店舗デザインのトレンドについて書きます。



18年3月号「ビールが旨い空間デザイン」



 
日々、取材でたくさんのデザイナーや店舗オーナーの方々とお会いしていると、よく聞かれます。
「いまの店づくりのトレンドは、どんな感じですか」、と。
いろいろな角度から答えることができます。
例えば、業態のトレンド、デザインのトレンド、経営者の動き、などなど。いろんな角度から。
 
で、そのうちの一つの答えが、「クラフト」です。
これが大きな潮流です。
「クラフト」がトレンドであることは、多くの人が感じていますよね。
皆さんも、職人が手づくりした器や革製品などを持っていますよね。そして、それを愛でながら、大切に長年使う。
大量生産品ではなくて、できれば、そうした一品物や手づくり感のあるものを身の回りに増やしていきたい。
誰が、どんな素材を使って、どんな風につくったのか。そうした素性が分かるものを使ったり食べたりして暮らしたい。
食べ物でも生活雑貨でもインテリアアイテムでも、どんなものに関しても、そう感じている人が多いのではないでしょうか。
クラフトチョコレートを食べ、シングルオリジンの豆をハンドドリップで淹れたコーヒーを飲む。夜は、クラフトビールを飲み、マルシェで買った新鮮な食材をシンプルに調理して食べる。自室には、古材を使った一点モノの家具かオブジェがある。
そんな暮らしを、良いと思いませんか。
 
少なからぬ人たちが、そんな生活をしたり、そんな生活に憧れたりする。
そうした時代の潮流を指して、「クラフトがトレンドである」と、私は答えています。


 


さて、そうすると、弊誌読者の皆さまにとっての最大の問題は、「クラフト」を店舗デザインでどう表現するか。
ってことですよね。
「月刊 商店建築」編集部は、何かトレンドを察知したら、つねに「そのトレンドを店舗デザインで表現すると、どんな店になるか」「そのトレンドは、現在、どのような形で店舗デザインに表出しているか」と考えます。
つまり、今の時代なら、「クラフト感を店舗デザインで表現すると、どんな店になるか」。
そう考えるわけです。
  
 
お店づくりに携わっていらっしゃる皆さんは、施主から「クラフト感のあるお店をつくってほしい」と設計依頼されたら、すぐにデザインできますか。
「すぐにはデザインできないなあ。少し資料集めが必要だなあ」と感じたあなたは、急いで、以下をご覧ください。
設計依頼が来てしまってからでは、手遅れですから。
クラフト感を空間で表現するにせよ、しないにせよ、大事なのは、そうしたデザインを理解し、自分のものにできているかどうかです。
 

 


18年3月号「ビールが旨い空間デザイン」

 

では、お待たせしました。
具体的な資料の紹介です。
 
「クラフト」を形にした店が、以下の号に載っています。
以下の4つの特集をご覧いただければ、クラフト系ショップの平面計画と雰囲気づくりを、まとめて掴んでいただくことができます。

●18年3月号「ビールが旨い空間デザイン」
http://www.shotenkenchiku.com/products/detail.php?product_id=306
http://www.shotenkenchiku.com/blog/entry-801.html
クラフトビールを楽しめる店を全国各地で見かけまね。
ビール業態を印象づけるビアカウンターをどう演出するか。そして、醸造スペースを店内に設置する場合、何に注意したら良いか。そのあたりがポイントです。写真と記事でまとめました。


「ビールが旨い空間デザイン」では、醸造スペースを設計する際の基本事項をイラストも交えて整理しています


18年3月号「空間とモノで魅せるクラフトショップ&ギャラリー」。現在のトレンドを反映した空間を多数掲載しています。ポイントとしては、空間、什器、商品、ディスプレイの関係をよく観察してみてください

 
  
●18年3月号「空間とモノで魅せるクラフトショップ&ギャラリー」

http://www.shotenkenchiku.com/products/detail.php?product_id=306
http://www.shotenkenchiku.com/blog/entry-800.html
一言で言うと、今の時代の空気を店舗空間で表現するとこうなる。そんな特集です。
作家モノの器やアンティークの古道具を、ギャラリーのように静かに整然と並べたショップ。
商品と什器とディスプレイの区別も判然としない。しかし、それらのモノは、オーナーやバイヤーの一貫した審美眼で選ばれ、一つの小宇宙を形成している。そんな店が、「クラフトショップ&ギャラリー」です。


18年3月号「空間とモノで魅せるクラフトショップ&ギャラリー」の誌面


17年11月号「カフェ」特集にて掲載の「WOODWORK」。家具工房&ショップに併設されたカフェです

  
  
●17年11月号「カフェ」

http://www.shotenkenchiku.com/products/detail.php?product_id=299
カフェ特集にも、全体的にクラフトの世界観が漂っています。
例えば、このカフェ特集に掲載した「WOODWORK」「sunset coffee」「NO COFFEE」「Hocus Pocus」などをご覧ください。


17年5月号「クラフトを軸にしてつくり出すニューウェーブ・チョコレートショップ」

  

●17年5月号「クラフトを軸にしてつくり出すニューウェーブ・チョコレートショップ」

http://www.shotenkenchiku.com/products/detail.php?product_id=289
http://www.shotenkenchiku.com/blog/entry-749.html
新しいタイプのチョコレートショップを特集しています。
コーヒーを加工する工房が併設されていて、素材や加工過程が見える。透明性の高い店づくりです。
床壁天井と什器は、シンプルに素直に、素材をむき出しにしたデザインです。
各店の壁面に描かれたグラフィックにも注目してください。
 
 
ちなみに、昨秋にブルックリンへ行った際、「MAST(マスト)」というチョコレートショップを視察したのですが、まさに、こうしたタイプのチョコレートショップでした。


17年5月号「クラフトを軸にしてつくり出すニューウェーブ・チョコレートショップ」にて掲載した「ミニマル」。チョコレートが非常に美味しくてオススメです


ブルックリンで訪れたチョコレートショップ「MAST」。工房が併設され、ショップでは、ギャラリーのようにゆったりと板チョコが売られています。パッケージのグラフィックも美しい

  
  
これらの特集をご覧いただけると、「クラフト感を店舗デザインで表現すると、どんな店になるか」について、多くの気付きや刺激を得ていただけるはずです。
 
単純にトレンドにのっかる必要はありません。
けれど、トレンドの本質的な部分を抽出し、それを自分なりに咀嚼して、必要な時に空間デザインという形でアウトプットできるようにしておく。

この準備と努力が、店舗デザイナーの方々にとって重要である。多くのデザイナーの方々を取材していて、日々つくづくそう感じています。



本日も、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
編集部は、入稿の追い込みで、今週も来週も全員で全力疾走です!

最新号「商店建築2018年4月号」の内容は、こちら↓。人気のオフィス特集です。
http://www.shotenkenchiku.com/products/detail.php?product_id=308#p-link03


5月号(4月28日発売)は、カフェ特集。
ただいま制作中の6月号は、ホテル特集。
どうぞお楽しみに!!
〈塩田〉



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