11月号【カフェ特集】三つの視点から考えるカフェ設計手法
2016/11/24
こんにちは。
毎月ご愛読ありがとうございます。
今、このブログを、新宿のカフェ「ヴァーヴ コーヒー ロースターズ (VERVE COFFEE ROASTERS)」で書いています。
そうです、ヴァーヴ コーヒー ロースターズは、最新号「商店建築 2016年11月号」の表紙になっているカフェです。
いま飲んでいるのは、ニカラグアの「El Limoncillo Yellow Pacamara」という豆から抽出したコーヒー。少し酸味があって、軽やかでフルーティー。美味しいです。新宿にお立ち寄りの際は、休憩がてら、飲んでみてください。コーヒー3種飲み比べなんていう楽しいメニューもありますよ。
そんなわけで、11月号は、人気のカフェ大特集。
最初に謝っておきます。申し訳ありません、最近、カフェの特集号は、品切れになってしまうことも多く、お近くの書店で入手できないケースがあるかと思います。弊社の書庫にも完全に在庫がなくなったりして、私たちもびっくりしています。
では、本題です。
本日のブログは、最新のカフェをつくりたい方々に向けて書きます。
ご興味ある方だけ、15分ほどお付き合いください。
取材を通して感じているのは、今、カフェの設計で重視されるポイントは、以下の4点だということ。
・居心地の良さ
・マテリアルで生み出す個性
・地域に根ざすデザイン
・ブランディング効果
この4点です。
そんな観点から、今回掲載されているカフェを見返してみてください。
では次に、そのようなカフェをつくるには、具体的にどのようにデザインすればよいか。その考え方とデザイン手法について、以下の三つの視点から、最新号11月号「カフェ特集」の中で記事をつくりました。
1:経営する人の視点
2:運営する人の視点
3:設計する人の視点
この三つです。
あなたは、どの立場に当てはまりますか。
ご自分の立場と似ている記事を拾い読みしてみてください。
では、順番に要点だけ。
まず、「1:経営する人の視点」。
「商店建築 2016年11月号」がお手元にあるかたは、76ページと91ページを開いてください。
川上シュンさん(artless)と鈴木泰一郎さん(buena design)という、二人のデザイナーにインタビューしました。川上さんの本業は、アートディレクションやグラフィックデザイン、鈴木さんの本業は、空間デザイン。ところが、川上さんはコーヒースタンドを自ら経営し、鈴木さんはカフェを2軒経営しています。
なぜデザイナーがカフェを経営し始めたのでしょうか。それを聞きたかったので、彼らに取材してきました。答えは、「ケーススタディー」と「ポートフォリオ」。詳細は、誌面でお読みください。
また、鈴木さんが経営するカフェ「MONZ CAFE」は2店とも、お寺の参道という特異な立地にあります。そこで、地域に根ざしたカフェ運営の秘訣や、成功するカフェの条件も聞いてきました。
そして、「1:経営する人の視点」として、代官山にオープンした「カフェ ハバナ トウキョウ」設立者、S e a n M e e n a nさんへのインタビュー「文化が混ざり合うソウルフルな店づくり」も載せています。S e a nさんは、「カフェ ハバナ」がどんなスピリットを大切にしているのか、東京や代官山というエリアをどう捉えたのかといった話を、ラテン文化やニューヨーク文化を背景にしながら語ってくれました。
次に、「2:運営する人の視点」。
カフェを設計する際、あなたはどういう観点でデザインを決定していきますか?
もちろん、お客さんのために、その空間でがどれだけ気持ち良くて楽しいかを一つの価値基準にするでしょう。しかし同時に、そこで働くバリスタの方々にとって、カフェは「仕事場」です。仕事場としての機能性という観点も、設計時の一つの判断基準になるのではないでしょうか。
そこで、実際にバリスタの方々に、「仕事場としてのカフェに何を求めますか?」とインタビューしてきました。まず、「オールプレス エスプレッソ 東京ロースタリー & カフェ」(P.87)でバリスタを務める山邊純弥さん。バリスタの方々はカウンターの中でどんな作業をしているのか、そして、お客さんとのコミュニケーションをとるために、どんなカウンターだと良いのか。そんな話を山邊さんに聞いてきました。
さらに、猿田彦珈琲(P.103)の経営者でバリスタの大塚朝之さん。大塚さんは、「仕事場としてのカフェ」に機能性や効率性を追求していったら、その先に最も重要なものが見えてきたそうです。ですから、大塚さんのインタビューには、「1:経営する人の視点」の視点も含まれています。カフェ開発やカフェ運営に携わっている方々は必見です。もちろん、カフェ経営者やバリスタの方々をクライアントとして、日々設計業務に取り組んでいらっしゃるデザイナーさんも必見。
そして最後が、「3:設計する人の視点」。
冒頭で述べた四つのポイント、「居心地よさ」「マテリアルで生み出す個性」「エリアに根ざすデザイン」「ブランディング効果」を満たすカフェを次々とデザインしている設計者がいます。加藤匡毅さん(パドル)です。
私たち編集部がここ数年、加藤さんに何度も取材をする中で感じていたことがあります。それは、「スケッチが魅力的だ」ということです。
そこから着想し、「スケッチから見るカフェ設計論」というテーマで、加藤さんにロングインタビューしました。その話を、“誌上レクチャー”という形でまとめています(P.125)。
見てください、このスケッチ(下)。プロジェクトの初期段階から加藤さんが何を目指しているか、伝わってきますよね。こうしたスケッチを見せてもらいながら、設計作業のフェーズごとにポイントをまとめました。
加藤さんは、「アラビカ京都」(15年3月号、15年11月号)、「ダンデライオンチョコレート」(16年5月号)、「グレインブレッドアンドブリュー」(P.121)などを設計しています。今回のインタビュー記事の中で、まだメディアに載っていない「アラビカ ドバイ店」の話もいち早く聞きました。
最後に、もう一度まとめましょう。
いま、カフェの設計で重視されるのが以下の4点。
・居心地よさ
・マテリアルで生み出す個性
・エリアに根ざすデザイン
・ブランディング効果
それを、以下の三つの観点から掘り下げたのが、最新号「商店建築2016年11月号」のカフェ特集。
1:経営する人の視点
2:運営する人の視点
3:設計する人の視点
今回は、特に、カフェの設計に関する「保存版」となることよう誌面制作しました。
カフェ特集は、毎回好評をいただいており、今回も品切れになる可能性があります。書店で見かけたら、お早目に一度ご覧ください。
なお、今月号のカフェ特集の掲載店舗は以下です。
スモーブローキッチン 中之島 森井良幸+カフェ
ヴァーヴ コーヒー ロースターズ シンジュク ステーション ソルト
カイカドウカフェ
OeO Design 建築事務所楊梅
アートレスクラフトティー&コーヒー
アートレス
ジャニス・ウォン
10planning & cordination グラム
カフェ ハバナ トウキョウ
エバーエッジ
オールプレス エスプレッソ 東京ロースタリー&カフェ 清澄白河
ブエナデザイン
トラヤカフェ・あんスタンド
ランドスケーププロダクツ
グリーンブラザーズ恵比寿店
スパイラルデザイン
モーションダイナー京都
ダイケイミルズ
猿田彦珈琲 アトレ恵比寿店
ジ ョ ー ジ ク リ エ イ テ ィブ カ ン パ ニ ー
ポールバセットSangamMBCメディアセンター
スピン・オフ
ナンバーフォー
クロー
ミーズカフェ&キッチンアットメトアギンザ
窪田建築都市研究所
ウニール 赤坂店
グリフォン
グレインブレッドアンドブリュー
パドル
カフェに関するまとまった資料が必要な方は、「商店建築2016年11月号」と合わせて、先日発売になった増刊号『good design cafe』もお役立てください。近年の弊誌のカフェ特集号から選りすぐりのカフェを網羅的に掲載しました。資料性の高い増刊号です。こちらも好評いただき、売り切れ店が続出。大変ご迷惑をおかけしました。申し訳ありません。先日、弊社の販売部が急いで増刷を決定しました。お近くの書店の棚にも補充されているかと思います。
http://www.shotenkenchiku.com/products/detail.php?product_id=273
更に、いま大きなトレンドとなっている、カフェとショップの複合店に関する資料を探している方は、「商店建築2016年5月号」もご覧ください。複合型のカフェの開発について、掘り下げています。
http://www.shotenkenchiku.com/products/detail.php?product_id=268
本日も、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
皆様もお仕事の合間に素敵なコーヒータイムを。〈塩田〉
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日本で唯一、店舗デザインの最新事例とセオリーが学べる月刊誌「月刊 商店建築」。
最新号は2016年11月号 カフェ大特集。
こちらでも、目次のチェックやご購入ができます。
http://www.shotenkenchiku.com/products/detail.php?product_id=278
http://www.shotenkenchiku.com/upload/save_image/目次.pdf
【2016年11月号は以下のような方々にオススメです】
●機能性と意匠性を兼ね備えた、長続きするカフェを設計したいと考えている設計者の方々。
●すぐに消費され尽くしてしまわない、愛されるカフェを開業したいカフェオーナーの方々。
●「今のカフェのトレンドって、どんな感じ?」とリサーチしたいデザイナーやオーナーの方々。
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