木曽アルテックの工房にて。デザイナーに人気の高いトチ材の一枚板(撮影/梶原敏英)


こんにちは。
毎月ご愛読ありがとうございます。
今日は、木材とデザインの話です。

 
 
 
その前に、ちょっと街歩きの話題です。
いよいよ暑くなってきましたね。
というわけで、先日、取材で銀座に行った際、今年1月にオープンしたカフェ「ニコラシャール 銀座本店」でパフェを食べてきました。看板メニューのシュークリームが上にのっています。その下には、クリーム、アイス、チョコレートなどが層をなしていて、食べ応え満点。暑い夏に銀座へ出掛けたら、ぜひ休憩がてら、この「うさぎパフェ」を食べて涼んでみてください。


「ニコラシャール 銀座本店」のパフェ。銀座散歩の休憩にぜひ。

 
 
 
さて、本題に戻りましょう。
今日のテーマは、「和食店のデザインにおける木材利用の極意」。

最新号「商店建築2014年6月号」は、日本料理店の特集。
ラインアップは以下のとおりです。
 
 
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FEATURE ARTICLE 業種特集1/日本料理店
  
賛否両論 名古屋 三菱地所設計 橋本夕紀夫デザインスタジオ
割烹 や満登 橋本夕紀夫デザインスタジオ 
ごはんや 一芯 代官山 辻村久信デザイン事務所+ムーンバランス 
祇園すし処 華わさび ~旬の一品と日本酒~ 兼城祐作+造形集団
又こい家/あずみ野/麻布かりんと+パブリックエリア 羽田空港第2旅客ターミナルビル 日吉坂事務所
グリル&スシバー ゲート・インテリアデザインオフィス
鮨心 ベイリーフ
日本料理 なかのしま 乃村工藝社
草津温泉 金みどり 新緑 ビートニク
北大路 銀座本店 フィルデザイン
北新地 へちもんや エーディーエー

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6月号に掲載されている「ごはんや 一芯 代官山」。設計/辻村久信デザイン事務所+ムーンバランス

 
 
当然ながら、和食店の空間デザインでは、木材を使用する機会が多いでしょう。
では、もしあなたが雑誌の取材を受けて、「和食店の設計で木材を使う際に気をつけているポイントは?」と質問さたら、3点くらい即答できますか。
できなかった方は、6月号104ページへ急いでください。
 


 
日本料理店特集の中でインタビュー記事をつくりました。
タイトルは、「和食店における木材使用の極意~デザイン、施工、メンテナンス」。
ご登場いただいたのは、これまで多くの和食店をデザインしてきた橋本夕紀夫さん、辻村久信さん、前田太郎さん。そして、木材加工と漆仕上げのスペシャリスト、斎藤寛親さんです。
 
あなたのところへ和食店の設計依頼がきて、空間デザインで木材を使うことになったら、何を念頭に置いてデザインすればよいのでしょうか。
その考え方のポイントを、7ページで整理しました。
本日のブログでは、以下に要点だけを紹介します。
 
 


橋本夕紀夫さん

まずは、橋本夕紀夫さん(橋本夕紀夫デザインスタジオ)。

point1:木材は「生き物」との「出合い」である
point2:やり過ぎには注意
point3:時には木材から発想する


本号の「賛否両論 名古屋」(P.64)、「割烹 や満登」(P.69)の写真を見ながらお読みいただくと、橋本さんの木材に関するデザイン手法がスッキリ頭に入ってきます。
一枚板であれ突き板であれ、木材とは「一度きりの出合いである」というスタンスで接して、その素材の個性を尊重するという橋本さん。光沢感の出し方のコツなども開陳していただきました。必読です。
 
 
 


辻村久信さん

続いて、辻村久信さん(ムーンバランス)。

point1:温かい素材感を最大限残す
point2:木は「動くもの」と心得よ
point3:技術の進歩で木の意外性を引き出す


本号の「ごはんや 一芯 代官山」(P.72)の写真を見ながら、お読みください。
辻村さん特有の温かみのある和風の空間は、どんな樹種選びや仕上げで実現されているのでしょうか。そのコツを語っていただきました。
上記の橋本さんも、辻村さんも、木という素材は完全には制御できないものだから、そのことを受け入れた上で木の魅力を引き出すというスタンスで樹木と向き合っている姿が伝わってきました。
 
 
 


前田太郎さん

続いて、前田太郎さん(ベイリーフ)。

point1:樹種で緊張感をコントロールする
point2:手のひら、足の裏から質感を伝える
point3:デザイン以外の注意点も忘れずに


これまで高級和食店からカジュアルな寿司屋まで、幅広い業態の和食店をデザインしてきた前田さん。
前田さんにとって「高級感/カジュアル感」「緊張感/リラックス感」をコントロールする設計手法の一つが、木材の樹種選びです。
その好例が、本特集に掲載の「鮨心」(P.87)。なんと、店内に2本のカウンターがある珍しい構成で、それらのカウンターには異なる樹種を使い分けています。それがどんな違いを生むか、誌面でご確認ください。
 
 
 


斎藤寛親さん(撮影/梶原敏英)

そして最後に。
多くの空間デザイナーの方々が厚い信頼を寄せるコラボレーター、斎藤寛親さん(木曽アルテック)。木材の調達や加工、そして漆仕上げのスペシャリストです。
長野県塩尻市の工房を訪れました。
斎藤さんは、木材の個性を見出す眼力について語ります。さらに、「乾燥の目安は1寸1年」「漆と相性の良い木、悪い木」など、設計者が知っておかねばらないポイントが次々に飛び出しました。
 


 
 
和食店のデザインで、より一層のスキルアップを目指す方、これから和食店の設計を手掛けたいと考えている方、6月号は必読です。
もちろん、このインタビュー記事は、和食店の設計経験が多くないデザイナーの方々だけを対象につくったのではありません。むしろ、和食店の設計を多く手掛けてきたベテランのデザイナーの方にも読んでいただきたいと考えて誌面をつくりました。「自分の方法論は確立できたが、見落としている点はないだろうか」「他のデザイナーは、どんな視点で木という素材に向き合っているだろうか」という観点から、ご自身の設計手法と照らし合わせてみてください。
 

 
 
日本で唯一、店舗デザインの最新事例とセオリーが学べる月刊誌「月刊 商店建築」。
最新号は6月号。
こちらでも、目次のチェックやご購入ができます。
 
本日も、最後までお読みいただき、ありがとうございました。〈塩田〉
 
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月刊商店建築6月号
定価:2,040円(税込)
2014年5月28日発売
新作/コレド室町2,3
   エムハウス
特別企画/進化するライティングデザイン
業種特集1/日本料理店
業種特集2/ウェディングホール&チャペル



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