渋谷で体験したグランピングオフィス

今日は、最近見たものを三つ報告します。
お仕事の合間に、15分ほどいただけたら幸いです。
  
 
久しぶりに、気持ちいい快晴ですね。
このブログを読んでいるあなた、オフィスにこもっていませんか?
それは、もったいない。
というわけで、突然ですが、屋外でデスクワークしたこと、ありますか?



渋谷で体験したグランピングオフィス

  

先週、「月刊 商店建築」編集部は、移動オフィスを体験してきました。
場所は、渋谷。
飲食店、ショップ、オフィス、住宅が複合した「渋谷キャスト」の前庭です。
そこに張られたテントの中で仕事してきました。
つまり、グランピングですね。
時間は、午後1時から2時間ほど。
 
行く前は、「たくさんテントが並んでいるのかな」と思っていたのですが、会場に到着してみると、なんとその日は、テントが一つ。笑
見世物っぽい感じになりますよね。。。
しかも、この時間帯は、昼休み明けで、けっこう人通りが多かったのです。
最初は、「通行人に見られていると、仕事に集中できないかな」と思ったのですが、意外にも、一度テントの中に入ってしまうと、周囲の様子はほとんど気になりませんでした。
  
グランピングオフィスを体験した編集部員は、「こうした非日常的なオープンな場には、向いている作業と向いていない作業がある」と感じたようでした。
日常業務を「集中型」と「コミュニケーション型」に大別すると、こうしたグランピングの場は、「コミュニケーション型」に向いているようです。
「集中型」は、一人で集中してアイデアを出したり、考えをまとめたり、書類をつくったりという作業ですね。
「コミュニケーション型」は、会議、打ち合わせ、ブレインストーミングなどですね。
  
グランピングの場合、開放的な空間ですから、脳も開放的になりアイデアや意見が出やすくなるのでしょう。
その代わり、光、風、音、人、風景といった刺激要素が多く、それらが刻々と変化していきます。そうした周辺環境の変化に関する情報量が多いため、パソコンの画面などの小さな対象には集中しにくいと言えます。
 


テント内は、とても快適

  
 
とはいえ、帰り際には編集部員が皆「もっと長くここで仕事したいな」と言っていたのが印象的でした。
なぜ、私たちがグランピングオフィスを体験したのか。
それは、ここ1年ほど、「オフィス特集」に関する反響が非常に大きいからです。
働く環境を適切に変えることで、企業の成果物や業績や人材獲得力が向上する。いま多くの経営者がそう気づき始めているからだと思います。
では、働く環境を変えると、個人やチームのパフォーマンスはどう変わるか。
それを、少しでも体験してみたくて、グランピングオフィスを試してみました。
 
具体的には、近年好評の「オフィス特集」は、以下です。


商店建築2018年10月号

●商店建築2018年10月号
https://www.shotenkenchiku.com/products/detail.php?product_id=322
http://www.shotenkenchiku.com/blog/new/entry-863.html
http://www.shotenkenchiku.com/blog/new/entry-858.html


商店建築2018年4月号

●商店建築2018年4月号
https://www.shotenkenchiku.com/products/detail.php?product_id=308
http://www.shotenkenchiku.com/blog/new/entry-807.html


商店建築2017年9月号

●商店建築2017年9月号
https://www.shotenkenchiku.com/products/detail.php?product_id=295
http://www.shotenkenchiku.com/blog/new/entry-770.html


AGCスタジオで開催中の「Lounge design exhibition」

 
 
 
二つ目の話題です。
東京・京橋で開催中の展示です。
「展示」と言っても、ただ見るだけでなく、むしろ、そこで過ごして体感するラウンジ型の展示スペースです。

場所は、AGCスタジオ(東京都中央区京橋2-5-18)。
大手ガラスメーカー、旭硝子のショールーム内です。
銀座や八重洲からも近い場所ですね。
https://www.agcstudio.jp/event/3003


ラウンジ空間を「他者とのコラボレーションが生まれる空間」と捉えて、仮設ラウンジをつくっています。
空間は、日建設計の協力によってデザインされています。


音の出るガラス。どこから音が出ているかわからないような、音と空間の一体化が興味深かったです。AGCスタジオで開催中の「Lounge design exhibition」


AGCスタジオで開催中の「Lounge design exhibition」

 
 
会場内にいくつかの仕掛けが設置されています。
インテリアデザインの視点から興味深かったのは、音の出るガラス「Sound-generating Glass」です。
ガラスの向きを自由に変えることができます。
フレキシブルなパーティション兼スピーカーという感じです。
そのガラスからは、川のせせらぎなどの環境音が流れています。
ベンチに座って、ガラスをくるくるまわして動かして自分のほうに向け、少し音量を上げてみました。すると、マスキング効果で周囲の雑音が少し気にならなくなりました。
冒頭の「集中型」と「コミュニケーション型」の話で言えば、こうしたサウンド効果をうまく使えば、「コミュニケーション型」のラウンジ空間でも、「集中型」の作業にふさわしい空間を生み出すことが可能かもしれない。そんなことを感じました。
あなたなら、どう使いますか?
気になったかたは、銀座方面にお出かけの際に、立ち寄ってみてください。
 
 
【開催概要】
「Lounge design exhibition」多様なゆらぎがつくるラウンジの可能性
開催期間: 2018年9月11日(火)-11月30日(金)
開催時間: 10:00-18:00(日曜・月曜・祝祭日休み)
開催場所: AGC Studio(東京都中央区京橋2-5-18)
入場料: 無料

 
 
 


dai fujiwara & propellaheart art installation / artless appointment gallery


dai fujiwara & propellaheart art installation / artless appointment gallery

 
 
三つ目の話題です。
花と植物を使ったインスタレーションです。
場所は、中目黒。
「artless appointment gallery」というギャラリーです。会期中は、予約無しで、いつでも入れます。
このギャラリーは、コーヒースタンド「artless craft tea & coffee」と一体化しています。
だから、美味しいコーヒーや日本茶を片手に、インスタレーションを楽しむことができます。

今回の作品は、デザイナーの藤原大氏と、エイティブユニット「propellaheart(プロペラート)」の共作です。
草花が、帽子や靴のシルエットを形成していたり、人間のように造形されていたりします。
帽子や靴を象った草花は、どこかコミカルです。
人間を象った草花は、生命力とともに若干の怖さを感じさせます。この人間型の作品は、植物の生命感のせいか、それとも服を着ていたり頭部が動いたりするせいか、ロボットや人形というよりも、むしろ人間か宇宙人のような生き物に近い印象を与えます。
  
今回は、ギャラリー内に大きなテーブルと三つのイスがあることも重要だと感じました。
つまり、しばらくの間、コーヒー片手に、怪しげな存在感を放つ作品と向き合って過ごすことができるわけです。
このインスタレーションは、注目のイベント「DESIGNART(デザイナート)2018」の一環です。
   
 
  


dai fujiwara & propellaheart art installation / artless appointment gallery

【開催概要】
dai fujiwara & propellaheart art installation / artless appointment gallery
期間 : 2018年10月19日(金)〜 10月28日(日)
時間 : 11:00 〜 20:00
会場 : artless appointment gallery / artless craft tea & coffee
住所 : 東京都目黒区上目黒2-45-12 nakame gallery street J2 (85)





artless appointment gallery

 
 
DESIGNART、始まっています。
さっそく、編集部員が、見どころを即日レポートしております↓。

http://www.shotenkenchiku.com/blog/new/entry-862.html
デザインイベントめぐりのご参考にどうぞ。
  
編集部のメンバーは今日も、青山、外苑前、六本木など、各エリアの展示会場を手分けして取材に行っています。
皆さんも、秋晴れの空の下、デザインとアートに出合う散歩をしてみてはいかがでしょう。
デザインイベントのレポートは、改めて19年1月号に掲載予定です。
どうぞお楽しみに。
 
 
 

さて、最後に。
今日紹介した3件には、大きく見れば、共通点があります。
「グランピングオフィス」「音の出るガラスがあるラウンジ」「植物を用いたインスタレーション」、この三つでしたね。
何が共通点でしょう。
それは、「日常空間と異なる実験的な場にしばらく身を置くことによって、身体や脳が刺激される」ということです。
とてもざっくりした共通点ですけれど。笑
  
実は、「月刊 商店建築」の誌面づくりで、ここ1年ほど、「居場所」という観点を意識しています。

例えば、「新世代のランドリー特集」「フードホール特集」「複合書店特集」、そして、次号(11月号)の巻頭に掲載している「Ginza Sony Park(銀座ソニーパーク)」などは、「居場所」という大きなテーマを意識しながらつくった特集です。
  
 
そんなわけで、今日は、簡単に体験できる非日常の「居場所」を皆さんとシェアさせていただきました。
最後までお読みいただき、どうもありがとうございました。〈塩田〉
 
 

  
  
 
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日本で唯一、店舗デザインの最新事例とセオリーが学べる月刊誌「月刊 商店建築」。
最新号は2018年10月号。
こちらでも、目次のチェックやご購入ができます。


最新号は2018年10月号。好評のオフィス特集です



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