ルイ・ヴィトンのメンズ アーティスティック・ディレクターに就任したバージル・アヴロー氏(撮影/青木勝洋)


ストリートファッションの雄「シュプリーム」と「ルイ・ヴィトン」のコラボや、「Off-White c/o Virgil Abloh™」のデザイナーがルイ・ヴィトンのメンズ アーティスティック・ディレクターに就任など、現在のファッションシーンにおける世界的なトレンドは「ストリート・ラグジュアリー」。
 ストリート・ラグジュアリーが世界的なブームとなるきっかけは2013年。キーマンとなったのはファッションアイコンであるラッパーのA$AP ROCKY(エイサップ・ロッキー)と、ファッションブランド「オフ-ホワイト」のデザイナー、ヴァージル・アブロー氏。同年にヴァージルがカニエと共にローンチさせた「パイレックス・ヴィジョン」というブランドで、ファッションシーンに彼の名前が知られるようになった。その「パイレックス・ヴィジョン」のプロモーションビデオにはエイサップモブと呼ばれるラッパー、ダンサーが登場し、瞬く間にネットで話題となった。
9月号ファッションストア特集でも、ストリート・ラグジュアリー系のセレクトショップを取材し、デザインと共に世界中を席巻するブームの根源を探っています。


UNION TOKYO 設計/ケース・リアル 撮影/高木康広


世界各国のユニークなストリートウェアやハイエンドなブランドを集め、ストリートシーンを牽引し続けてきた老舗リテーラー「UNION」の国内初の路面店「UNION TOKYO」。
現オーナーを務めるCHRIS GIBBS氏のアイデアを融合させながら、UNIONの洗練されたスタイルや世界観を表現・体感できる空間となっています。
空間は躯体を生かした「ミックス感」を許容したニュートラルなデザインとなっています。


DOMICILE TOKYO デザイン/YOSHIROTTEN 撮影/高木康広


 築70年程の古民家を改装したストリート系セレクトショップ「DOMICILE TOKYO(ドミサイル東京)」は、グラフィックアーティスト・アートディレクターのYOSHIROTTEN(ヨシロットン)氏によるデザイン。
「日本のオリジナリティーが表現された建築物である伝統的な古民家を、未来的に表現しようと考えた」と話す店内は、既存の木造躯体を補修したヒューマンスケールの空間に、赤いアクリルの襖や物干し竿を転用したハンガーラック、石膏ボードでつくられた什器やカウンターなどが配されています。
既存の古民家を生かしながら、“日本のクラシック”なデザインと近未来的な表現が取り入れられた空間が、さまざまなカルチャーが交錯する現代の東京を表しています。 


NUBIAN HARAJUKU 設計/トラフ建築設計事務所 撮影/阿野太一


国内外のモード・ストリートカルチャーを融合させ、新たなトレンドを発信するセレクトショップ「NUBIAN HARAJUKU(ヌビアン 原宿)」。
色や形の違う商品群が店内で雑然と見えないように、幾何学形状の什器でフレーミングする計画され、フレーム什器は、粗磨きのステンレスを基準に、カラーフレームを組み合わせて構成している。
売場中央にあるウーファー内蔵のカウンターと、什器と同じフレームを使ったオリジナルスピーカーはの音響については10月号「特別企画/シーンをつくる音響デザイン」でも取材予定です。


ラフォーレ原宿の2 .5階に位置する「GR8」。売り場面積は店名に合わせて88.88 坪


ストリート・ラグジュアリー系のセレクトショップとして、世界中に知られる「GR8(グレイト)」。
ラフォーレ原宿で常に売り上げ1、2位を争う同店は12周年の昨年4月に開業時の3倍となる60坪に増床改装。更に今年4月には、2年続けて異例の増床を実施し、売り場面積は店名に合わせて88.88坪に拡張しストリート・ラグジュアリーの人気ぶりを体現しています。


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商店建築2018年9月号
https://www.shotenkenchiku.com
特別企画/改めて、設計料を考える
業種特集1/ファッションストア
業種特集2/肉料理レストラン
緊急特集/杉本貴志の商空間デザイン(前編)
表紙:アーカイブストア
2018年8月27日発売
定価2,100円
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