コレド室町とコレド室町2の間を通る公道、仲通りは石畳に舗装。通りに対して双方からにぎわいを演出している(撮影/白鳥)


商店建築6月号、既にご覧いただけましたでしょうか?
今回は巻頭で紹介した「コレド室町2,3」について少しだけご紹介致します。


中央通りから、コレド室町3(手前)、コレド室町2を見る。外装は團紀彦建築設計事務所が担当。対面の三井本館や三越日本橋本店の100尺スカイラインにならう低層部のファサードデザイン(撮影/白鳥美雄)


「コレド室町2,3」は、2010年にオープンした「コレド室町」(2011年2月号)に続く、日本橋室町東地区開発の中核プロジェクトとして、この3月にオープンしました。

開発のポイントは「道づくりによる街づくり」と「地域商店との連携」。
道路を挟んで隣接する5つの街区を一体的に開発することで、街並みの連続性や統一感を生み、また地上、地下の歩行者ネットワークも整備され、老舗店が並ぶ近隣エリア全体の回遊性を高めることに成功しています。

インテリアは「コレド室町2」をスーパーポテト、「コレド室町3」をA.N.D.がそれぞれ担当。スーパーポテトは先述の「コレド室町」も手掛けています。いずれも「日本の商業、金融などの中心地だった日本橋のかつてのにぎわいをどのように現代によみがえらせるか」をテーマに、それぞれのアプローチで、歴史ある日本橋エリアにふさわしい空間をつくりあげています。

事業主である三井不動産では、今後は周辺の老舗店などと連携し、ソフト面からエリア全体の魅力付けに積極的に取り組んでいくとのことで、タウンマネジメントの観点からも、日本橋・室町地区の今後に注目です。


コレド室町2の2階飲食フロア。フロアごとで異なる質感、材質のタイルを使用している。設計はスーパーポテト(撮影/白鳥美雄)


コレド室町3では江戸時代の日本橋通りを描いた絵巻「熈代勝覧」の表現をモチーフに、天然木とライムストーンや錆石を用いて、日本橋らしさを現代のデザインとして構築した。設計はA.N.D.(撮影/白鳥美雄)


そういえば昨日、ついに「虎ノ門ヒルズ」がグランドオープンしましたね。
一昨年の「東京スカイツリー/東京ソラマチ」「東急プラザ表参道原宿」「渋谷ヒカリエ」(いずれも2012年7月号掲載)以来の、注目度の高い都心大型プロジェクトとでも言えましょうか。

ちなみに昨年は大阪がにぎわっていた印象があります。「グランフロント大阪」(2013年8月号掲載)や、「あべのハルカス」(全面開業は今年3月。商店建築では、2014年5月号に掲載)など、キタとミナミに大型商業施設がオープンし、今後は周辺エリアも変化していくことでしょう。
このように、商店建築では数多くの大型商業施設を掲載してきましたので、ご興味のある方はバックナンバーをご参照下さい。

また、本年3月号では「マーチエキュート神田万世橋」をはじめとする、特徴的な商業施設4件を紹介していますのでこちらも要チェックです(ブログ記事もあります)。ここでは「エリアの歴史や文化、地域性」と「地元住民の生活に溶け込み以下に愛着を持ってもらうか」などが開発のポイントになっていました。
多様化が進む商業施設ですが、今後はどのよう進化していくのでしょうか。
広域集客型や超大型の商業施設は別として、それ以下の中小規模商業施設においては地元感や愛着がより重要になり、ごく狭いエリアでの「ローカルルール」の解析なども必要になるかもしれません。その時、空間としてどう立ち現れるのか。引き続き商業施設に注目していきたいです。
(タカハシ)
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月刊商店建築6月号
定価:2,040円(税込)
2014年5月28日発売
新作/コレド室町2,3
   エムハウス
特別企画/進化するライティングデザイン
業種特集1/日本料理店
業種特集2/ウェディングホール&チャペル



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