こんにちは。
毎月のご愛読、ありがとうございます。


コムサステージ銀座店のフルーツケーキ

先日、昨秋オープンした「コムサステージ銀座店」へ行ってきました。
地下1階がカフェ。静かな店内に、たくさんの種類のケーキ。
チョコレートとイチゴとクリーム、最高の組み合わせですね。
 東京都中央区銀座4-3-1
 
 
 
さて、本題に入りましょう。
 
 

 
忙しいあなたのために、目玉記事を拾い読みします。
15分だけお付き合いください。

最新号の「商店建築 2014年1月号」。

結論から先に言います。
「商店建築 2014年1月号」は、以下のような方々にオススメです。

・「店舗デザインの現状って、どうなっているの?」と他人に質問をしたことがある人。
・「商業施設のデザインのトレンドってどんな状況ですか?」と他人から質問されて、明快な答えを返せなかった人。

あなたが、どちらかに該当すれば、迷わずご購入ページへ。
該当しなければ、まずは書店で立ち読みだけしてみてください。

 
 
 
 
さて、新年特別企画の内容とは、、、
タイトルが、「NEXT GENERATION ~次世代のストアデザイン」。
合計60ページ。
20代、30代の若手デザイナー、総勢50組が登場。
渾身の完全保存版です!
 

まずは、制作の裏話から。
 
なぜこのような特集をつくったのか。
ここ数年、若手デザイナーが少しずつ仕事の件数を増やしたり、大きな規模のプロジェクトを手掛けるようになってきました。
編集部としては、毎月の取材をしながら、彼らの設計する空間を訪れ、そこに、上の世代のデザイナーの仕事とは異なる特徴を感じていました。
まだそれは、必ずしもはっきりした形として現れているわけではありません。

例えば、言葉にするなら。

ラグジュアリーを志向するよりも、日常性の延長で考えるデザイン。
作家性のあるデザインよりも、作家性を抑えて、クライアントや業態や立地によって、大きく異なるデザインを生み出す設計手法。
フォトジェニックなオブジェクトを配した空間ではなく、さり気ない居心地の良さを漂わせた空間。
商業性だけでなく、社会性を意識した空間デザイン。
一義的に意味が固定されるようなデザインではなく、その空間を体験する人次第で可変的にその意味が変化するような曖昧性を持たせた空間。
大胆なデザインの提案よりも、慎重に多くの選択肢をクライアントに提示することを重視するデザインプロセス。

と、いろいろな説明ができそうです。

では、どうしてこのような変化が起きているのでしょうか。
例えば、現在20代、30代のデザイナーが、学生や社会人になり自分で仕事をして稼げるようになった頃、バブル経済は既に弾けていました。今回の特集の座談会でも、「バブルを経験している飲食店オーナーは、お金の使い方がハンパじゃない」「バブルって、一度体験してみたいですねえ」といった発言も出ました。
そうした時代背景の違いがあるかもしれません。
他にもいろいろな理由や時代背景が考えられます。

いずれにしても、いま、商空間デザインが大きく変わりつつあります。
毎月の取材を通して私たちが感じているこのダイナミズムを、いち早く読者の皆さんと共有したい。
そして、商空間デザインについて考える素材を提供したい。
さらに、皆さんのその思考が、日本の商空間デザインをよりいっそう活性化する。
それを願ってつくったのが、この新年特別企画です。


巻頭座談会は、平綿久晃さんと渡部智宏さん(ともにMOMENT)、佐野岳士さん(SWeeT)、井上拓馬さん(everedge)

 
 
 
では、中身を具体的に覗いてみましょう。
 
巻頭の座談会には、若手デザイナーの中でも編集部注目の3組が登場します。
平綿久晃さんと渡部智宏さん(ともにMOMENT)、佐野岳士さん(SWeeT)、井上拓馬さん(everedge)。
穏やかな雰囲気ながら、本音の質問も飛び交いました。
どんなふうに事務所運営しているの?
どんなスタンスで店舗を設計しているの?
クライアントに期待以上の提案をするには何が必要なの?
プレゼンテーションの時に何を心掛けているの?
事務所の所員を採用するときの基準は?
などなど、話題は尽きませんでした。
 
 
 


勢いある6人の若手デザイナーにインタビュー

つづいて、勢いある6人のデザイナーにインタビュー。
近作について聞きつつ、彼らの設計思想に迫りました。


大野力さん(sinato)「展示スペースでも交通空間でも固定概念を覆していく」
尾崎大樹さん(BaNANA OFFICE)「楽しく仕事をするために、ユニットをつくる」
吉田昌弘さん(KAMITOPEN)「今一番興味があるのは着せ替えできるインテリア」
藤井文彦さん(fan)「訪れた人の感覚的なものを大切に雰囲気の良い店をつくりたい」
三橋崇さん(pebble)「インテリアデザイナーとしての次のステップを見つけたい」
松浦竜太郎さん(乃村工藝社)「ニュートラルなスタンスで、規模も業態も問わず設計する」


以上が、6人のインタビューのタイトルです。
6人分を通して読んでみてください。多くのことを学べます。中でもデザイナーにとって最も重要な学びの一つは、「一貫性とバリエーション」という観点ではないでしょうか。どういうことか。
この6人は、それぞれに一貫した設計理念を持って活動しています。では、その設計理念が、どのように個々の空間デザインとして具現化されているのか。その「一貫した思考と、その具現化のバリエーション」を学ぶための最良のテキストとなっています。
 
 
 


独創的な店舗を生み出し続ける奥平定寿さん(JOHNBULL)とデザイナーの大園貴生さん(撮影/奥山智明)


新しいコワーキングスペースを開発した辻本祐介さん(UDS)と建築家の松井亮さん(撮影/奥山智明)

さらに、コンテンツは続きます。

若手の設計者と、同年代のクライアントが、チームワークで新しい空間デザインを生み出していくプロセスにも注目しました。設計者とクライアントがどのようなコミュニケーションを積み重ねてプロジェクトを進めているのか、そこにポイントを置いて読んでみてください。
奥平定寿さん(JOHNBULL)とデザイナーの大園貴生さんは、濃密な世界観を表現したショップスペースを生み出し続けるアパレルブランド「JOHNBULL(ジョンブル)」における、店舗デザインの舞台裏を語り合います。
 
また、コーディネーターの辻本祐介さん(UDS)と建築家の松井亮さんは、東銀座に計画した新感覚のコワーキングスペース「LEAGUE」の設計プロセスについて語り合います。
  
  
  
 


大阪の若手デザイナーによる座談会

続いて、大阪の若手デザイナーによる座談会。
大阪の店舗デザインを牽引してきた間宮吉彦さんを聞き手に迎え、勢いのある若手デザイナー、小倉寛之さん、鈴木庸亮さん、池田励一さんが、いま求められている店舗デザインについて討論しました。
東京の座談会(P.58)と読み比べてみてください。面白い発見がいくつもあると思います。
大阪を拠点に活動しているデザイナーの方々は、街との結びつきが濃厚であること、そして、単に設計するだけでなく、店舗オーナーや仕掛け人のようなスタンスも併せ持ちながら、街の活性化を視野に入れて店づくりをしていることを感じていただけるはずです。
  
  
  
  


コラムでは、設計事務所のPR活動に関する疑問を一刀両断

特集に挟まれたコラム。
これも見逃さないでください。
デザインジャーナリストの高橋正明さんに寄稿していただいたコラム「設計事務所のPR活動を考える」。
「設計事務所にも広報担当者を置くべき?」「プレスリリースをつくる時の注意点は?」「紙媒体とウェブ媒体、どちらに先に送るべき?」、そんな疑問を一刀両断。
独立を考えている設計者の方は、必読です。
  
  
  
  


「店舗を出店したいが、誰に設計依頼すればいいんだろう」と思った時、まずは「商店建築 2014年1月号」をご覧ください

 
 
 
 
最後に一つ。

再び、ちょっと裏話になります。
この特集の誌面をつくりながら、考えていたことがあります。
それは、設計者の皆さんにも、店舗オーナーの皆さんにも、「この号は手元に保存しておきたい」と感じていただける誌面にしよう、ということです。
10年、20年、保存しておいていただける内容にしよう。
店舗オーナーの皆さんが、「店舗を出店したいが、誰に設計依頼すればいいんだろう」と思った時、まずは「商店建築 2014年1月号」をパラパラめくってみると、大きな指針が得られる。
そんな1冊を皆さんに提供したいと思いながら制作しました。
 
そして何より、この「商店建築 2014年1月号」を20年後に見返していただいた時、最も吟味されてしまうのは、「商店建築 編集部の先を見通す眼」です。見る目があったのか、なかったのか、その時にはっきり判断されてしまいますね。
 
次代を担うデザイナー50組が登場する「商店建築 2014年1月号」。ぜひ20年保管しておいてください。
 
今日も、最後までお読みいただき、どうもありがとうございました。〈塩田〉

 

 

 

 

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月刊商店建築1月号
2,040円(税込)

新年特別企画/NEXT GENERATION ─ 次世代のストアデザイン
新作/ルイ・ヴィトン 松屋銀座店
業種特集/ファインダイニング&レストラン



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