テンペリアウキオ教会(1969年。設計/Tuomo Suomalainen & Timo Suomalainen)


5月下旬、フィンランド大使館商務部の招待で、ヘルシンキのコントラクトメーカーを中心とした視察ツアーに参加しました。今日は、編集部員が海外を訪れた際、取材時間以外をどのように過ごしているかをご紹介します。


カンピ礼拝堂(2012年。設計/K2S)


当然のことですが、日中のほとんどの時間は、取材に費やされます。そしてオフの時間は、海外を訪れた多くのビジネスマンと同じく、観光に充てられます。都市のデザインの特徴や、そのデザインが生まれた背景を探ろうと、できるかぎりの観光をします。


ヘルシンキの中央に位置するエスプラナーディ公園。夜中の12時を過ぎても女性が一人で犬の散歩をしていたりと、ヘルシンキはとても治安の良い街だった。


なるべく公共交通機関を使用して、人々の日常に触れつつ、目的地を目指します。また、既に観光地や商業施設の営業時間を過ぎていても、街のスケールを把握するために、街中をぐるぐると巡ります。幸いにも、5月下旬のヘルシンキの日没時間は午後10時過ぎであったことと、日本人以上とも感じられる治安の良さから、早朝から深夜まで思う存分街巡りを楽しむことができました。


ヘルシンキの街並み。文化財に指定されている建物が多く、新たな建物を建てる場合にも古き良き街並みにあったファサードデザインが試みられている。


メーカーや建築家への取材と共に、街並みを眺める中で感じたことは、ヘルシンキの人々が陽の光をとても大切にしていることや、新緑芽生える時期に強く歓びを感じること。そして、サスティナビリティーという言葉が体に染み付いており、日本人以上に木に向き合ったデザインを手掛けていることです。背景には、冬に迎える厳しい自然環境があるのですが、そんな冬に対して前向きな気持ちを持っていることも印象的でした。また、地震が少なく乾燥した気候から、よりものを大切にする気持ちが育まれているのではと思いました。
もちろん、ネットで調べればわかる情報ではあるかもしれませんが、体感することでより良い記事につながるのではないかと考え、街巡りをしています。まずは、7月31日(火)に発売予定の『Commercial Space Lighting vol.3』で、ライティング・プロダクトメーカー「secto design」でデザインを手掛けるSeppo Koho氏のインタビューを掲載します。お楽しみに!



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