こんにちは。
毎月のご愛読、ありがとうございます。


先日、東京・麻布十番の「ジェラテリア マルゲラ」へ行ってきました。
ミラノ発の老舗ジェラート専門店です。
夏でも冬でも、ジェラートって美味しいですね。
 東京都港区麻布十番2-5-1


  
  
  
さて、本題に入りましょう。
今日のブログのテーマは、「デザイナーの絶対評価と相対評価」。

突然ですが、インテリアデザインや建築設計を手掛けている設計者の皆さん。
質問です。
あなたは、自分自身をどのように評価していますか?
正しく自己評価できていますか?

あなたのまわりには、あなたの仕事に対して、愛情を持って鋭く的確で忌憚のない意見を言ってくれる人がいるでしょうか。もし、いれば、あなたはとても幸せです。
事務所の上司や先輩が、あるいはメディアが、鋭く的確で忌憚のない意見を言ってくれるかもしれません。
的確な批評は設計者を育ててくれます。
 
では、もし、あなたのまわりに、そういう人物がいなければ?
自分で自分を評価しつつ自己研鑚を積んでいくしかありません。
 
では、どうやって自己評価をすればよいでしょうか。
設計者の方々が自分で自分を評価する場合、大きく分けると、「絶対評価」と「相対評価」があるように思います。
 
例えばあなたが、ある店舗を設計したとします。自分の納得のいく設計ができ、多くのお客さんがそのお店を訪れ、とても楽しそうに食事やショッピングを堪能してくれている。リピーターもたくさんついた。結果として、施主から、「素晴らしい店を設計してくれて、ありがとう。2号店を出す時も、またあなたに設計をお願いしますよ」と言われた。
これ、最高ですよね。大成功ですよね。
こんな評価がもらえたら、あなたはきっと「店舗デザイナーという仕事をやっていてよかった」と心から感じられるでしょう。そうなれば、他の設計者の人たちの仕事と自分の仕事を比較する必要なんてない。あなたは、無条件に、自分の仕事に納得と充足を感じられるはずです。
これは、「絶対評価」ですよね。とても大事な評価指標と言えそうです。
 

 
 
さて、一方で。
「自分は、いま、デザイン業界に数多いるデザイナーの中で、どの辺りのポジションにいるのだろうか」。
そういう疑問を持ったことはないでしょうか。
無論、デザイン能力に上下をつけることなど、簡単にはできません。
出来上がった空間デザインのクオリティーに上下をつけることも、簡単ではない。
 
けれども、日々の取材を通して多くのデザイナーの方々にお会いしていると、魅力的な店舗デザインを生み出すためにどんな能力が必要なのか、ある程度、感じることができます。
それは、大雑把に言えば、「思考の深さ」「思考の幅広さ」「思考の一貫性」という能力です。
それらを指標にして、自分自身と他のデザイナーの能力を、ある程度比較することができます。

では、どうやって?
そのための、良い資料をつくりました。
もしお時間あれば、試しに以下の手順で自己評価をやってみてください。
  
まずは、以下の6個の質問に答えてみてください。
各回答は、150文字程度のシンプルなもので構いません。

【Question】
●これまでのご自身の仕事で最も印象に残っているプロジェクトは何ですか? また、そのプロジェクトで実現しようとしたことは何ですか?
●最近、感性が刺激された瞬間は、どんな時ですか?
●今後、どんな業態やプロジェクトの設計を手掛けてみたいですか?
●今の店舗インテリアデザインの状況について何か感じていることはありますか?
●最も良いアイデアが浮かぶのは、どんな時? どんな場所?
●どんなクライアントと一緒に仕事をしたいですか?


 
 
 
(おっと、先に答えを見ては、いけません。その時点で、ライバルと差がついてしまいます。)

では、改めてシンキングタイム。。。
  
  
  
さて、どうでしょう。
真剣に考えていただくと、かなり時間とエネルギーを要するのではないでしょうか。

では、いよいよ、答え合わせです。

「商店建築 2014年1月号」の96ページをご覧ください。
35組のデザイナーの方々が、この6個の質問に回答を寄せています。(紙幅の都合で、回答いただいた項目の中から数項目を抜粋して掲載させていただいたデザイナーさんもいます)

さあ、ご自分の回答と35組の回答を読み比べてみてください。
 
どういう印象を受けましたか?
 
「活躍し始めているデザイナーは、発想がひと味ちがうなぁ」
「なるほど、そういう視点があるかぁ」
「これなら、自分のほうが鋭く考えているぜ」
「自分と同じようなことを考えている人がけっこう多いなぁ」
「まだまだ私には鍛錬が必要だ」
 
などなど、そんないろいろな感想があるかと思います。
 
いずれにしても、同じ時代に同じ分野で活動している人々の中で、自分自身を俯瞰的に眺めてみる。つまり、同業者と比較することによって、デザイナーとしての自分の思考力を相対評価してみる。
これは、デザイナーの方々が次のステップへ進むために、重要な視点ではないでしょうか。
日頃は、日常業務に追われて、なかなかそんな視点を持つことが難しいですよね。でも、1年のスタートの時期くらい、自分自身を相対的な視点で見つめ直してみる。その上で1年のスタートを切る。それができるかできないかで、1年後にあなたが立っている場所は、ずいぶんと変わってくるのではないでしょうか。
 
 
なお、この1月号に登場した50組の若手デザイナーの仕事が、最新号の2月号、ただいま制作中の3月号、4月号に次々と掲載されます。注目のデザイナーによる最新プロジェクトを、見逃す手はありません。乗り遅れないでください!!
 
今年も、商空間デザイナーと店舗オーナーの皆さんのお役に立つ特集を、次々つくってまいります。
特に、1月号は、永久保存版です。
ご期待ください。
 
今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。〈塩田〉



  
  
  
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月刊商店建築1月号
2,040円(税込)

新年特別企画/NEXT GENERATION ─ 次世代のストアデザイン
新作/ルイ・ヴィトン 松屋銀座店
業種特集/ファインダイニング&レストラン



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