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グランフロント大阪全景。手前の貨物ヤード跡地は第2期開発予定地(撮影すべて、荒木義久)


商店建築7月号の巻頭では「グランフロント大阪」と、その中のレストランフロア「UMEKITA FLOOR」を掲載しています。


「グランフロント大阪」が建つその敷地は「関西地区最後の一等地」とも呼ばれた「大阪駅北地区貨物ヤード」の跡地。今回はプロジェクトの第一期として、跡地の内東側4万7000㎡の区画が再開発されました。施設はJR大阪駅に隣接し、駅側(南側)から「うめきた広場」と広場に面して建つ「うめきたシップ」、大阪駅とデッキで直結した低層部の商業施設とオフィスタワーからなる「南館・タワーA」、低層部の商業ゾーンと「ナレッジキャピタル」と呼ばれる学びや体験をテーマにした施設が複合する低層部に「インターコンチネンタルホテル大阪」やオフィスが入るタワーが載った「北館」、分譲住宅「オーナーズタワー」から構成。南北に長い施設群の中央には、創造のみちと呼ばれる幅6mの通路が通っています。


「うめきた広場」に面して建つ「うめきたシップ」にはカフェ&レストラン「ガーブモナーク」が入居。広場のデザイン監修は安藤忠雄建築研究所


北館の中核施設「ナレッジキャピタル」。学びや体験をテーマにした施設群が入る


施設には「水都・大阪」にちなんで水景を多く設けています。うめきた広場の地下には階段状の滝のような水盤、施設西側にも大きな水盤が設けられており、取材当日は多くの人がその水盤の周りで休憩する姿を見ることが出来ました。
また緑も豊か。南北館の間を通る公道の両脇にはけやき並木があり、その下には全国でもまだ少ない、特例による公道を使用したオープンカフェが営業されています。この他、施設では梅田エリアを巡回するバスや、レンタサイクルのサービスを提供しており、「街を歩き、楽しむ」ための施設づくりがソフト/ハードの両面から行われています。


うめきた広場の地下は「うめきたセラー」と呼ばれるイートイン併設の食物販。地下広場の開口前には階段状の水盤


北館とレジデンスの間には4000㎡に及ぶ水と緑の広場「ザ・ガーデン」


こうした施設の中で、弊誌が特に注目したのが北館6階のレストランフロア「UMEKITA FLOOR(ウメキタフロア)」です。16の飲食店が入り、深夜28時まで営業しています。意外なことに、梅田エリアにはこうした深夜営業の飲食店群がありません。そうした意味でもここは特別なフロア。共用部に対してオープンな作りの店舗がならび、客は店内だけではなく、共用通路に設けられた席でも食事をとることができます。
誌面では、こうした特徴的なレストランフロアのプロデュースを手掛けたポトマックの金指光司氏と、ケイオスの澤田充氏に話しを聞きました。
いくら駅と直結しているといっても巨大施設。大阪駅を出てこの「ウメキタフロア」にたどり着くには結構な時間がかかります。しかも駅周辺施設や、南館にもレストランフロアがある。「はっきりいって鬼門」(記事中より)と呼ばれた場所での飲食フロアの開発プロセスの詳細は、是非記事でご確認下さい


北館6階の「ウメキタフロア」は16店で構成されるレストランフロア。キーワードは「街場感」


「ウメキタフロア」のプロデュースを手掛けたポトマック・金指光司さんと、ケイオス・澤田充さんへのインタビュー記事は必見です(取材・文/阿部博子)


梅田エリアでは、JR大阪三越伊勢丹やルクアが入る「大阪ステーションシティ」(2011年8月号)以降、「阪急うめだ本店」(2013年4月号)、そして先月あべのにオープンした「あべのハルカス」(近号掲載予定)など大型商業施設のリニューアル、新規オープンが続いています。今後も大阪の商業開発の動向に注目です。また施設内のレストランやブティックといった個店は、今後の業種特集で掲載予定ですのでお楽しみ。
〈タカハシ〉
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月刊商店建築7月号
新作/グランフロント大阪
   ウメキタフロア
   キッテ
   ロジラ ススムコヤマズ ショコロジー
業種特集1/ダイニングレストラン+図面集
業種特集2/ウエディングサロン

2013年6月28日発売
2,040円(税込)



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