スカッと抜けるような秋晴れの、気持ち良い日が続きますね。
先の土日は、ハロウィンを楽しまれた方も多いのではないでしょうか。
ここ数年で、季節のイベントとしてすっかり定着した日本のハロウィン。

渋谷ではあまりの盛り上がりにトラブルもあったようですが…
町中を子どもたちが仮装して楽しそうに歩く姿は微笑ましいです。

さて、ハロウィンといえば、楽しみの一つがお菓子。
それに合わせて、というわけではないのですが、
発売中の商店建築11月号の第2特集はフードショップです。

パン、プリン、タルト、チョコレート………
8件の最新ベーカリー＆スイーツショップ空間を集めました。

ラインナップはこちらです。

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・大理石と木が織り成すクリーンさで“日本”を表現
soboro bakery
（設計・ドイルコレクション）

・オープンな工房とにぎわいのあるディスプレイでパンの美味しさを伝える
BOULANGERIE BURDIGALA アトレ浦和店
（設計／レベルデザイン）

・フルオープンになる跳ね上げ窓がベンチとなってパンの香りを街に届ける
THE LITTLE BAKERY TOKYO
（設計／トリムタブ）

・温泉の体験を盛り込んで、商店街ににぎわいを取り戻す
熱海プリンカフェ2nd
（設計／StudioTokyoWest）

・130BPMのリズムで自然を表現したタルト専門店
BAKE CHEESE TART シャポー船橋店
（設計／池田励一デザイン）

・行商用の革ベルト付き桐箱をストックとした什器
善太郎商店
（設計／パイロットプランニング）

・温かみのある素材が心地良い高級感を演出するチョコレートショップ
LES TROIS CHOCOLATS ♥ CHOCOLATE SHOP
（設計／A.N.D.）

・チョコレートが持つ無垢性を表現したウォールナット材
MINIMAL - 東武池袋 Metro Kitchen & Store
（設計／松島潤平建築設計事務所）
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ところで、フードショップを設計する際にポイントとなることは何でしょうか。
そんなことを考えながら、掲載店について少しだけご紹介しますね。

⓵シズル感のあるディスプレイ
フードショップでは、商品の美味しさを空間でいかに伝えるかが求められます。
例えばJR浦和駅の駅ビルに入る「BOULANGERIE BURDIGALA」は、
ショップスペースの中央にビッグテーブルを配置して、
その上にパンを立体的に配置してにぎやかさを出しています。
また、奥のオープン厨房が垣間見えることによって、
出来立ての美味しさを伝えます。

BOULANGERIE BURDIGALA アトレ浦和店（設計／レベルデザイン　撮影／ナカサ&パートナーズ）

②驚きのあるイートインスペース
買ったお菓子をその場で食べるスペースをいかにつくるかも重要なポイントです。
「そこにわざわざ行く理由」となる驚きや楽しさのあるイートインスペースは、
フードショップにとって訴求力の一つとなります。

その好例が熱海・銀座商店街の一画でひときわ賑わう「熱海プリンカフェ2nd」です。
熱海という立地から、「温泉」をテーマに据えたプリン専門店です。
のれん、番台、桶など、「温泉」のモチーフがお店の随所に取り入れられています。

特徴的なのが風呂の中に入ったようなタイル貼りのイートインスペース。
壁面には手書きのイラストが散りばめられ、商品とともに写真を撮れるフォトスポットになっています。
取材時も、プリン片手に写真を撮って楽しむお客さんで溢れていました。

熱海プリンカフェ2nd（設計／StudioTokyoWest　撮影／見学友宙）

また、驚きの仕掛けがあるのが「THE LITTLE BAKERY TOKYO」。
こちらはファサードの跳ね上げ窓をフルオープンにすると、
イートインのためのベンチとしても機能する大胆なデザインです。

The Little BAKERY Tokyo（設計／トリムタブ　撮影／高木康広）

③小面積で店のアイデンティティーを表す
フードショップは、多くの店舗が並ぶ商業施設の一角に位置する場合も多くあります。
施設の環境の中、限られた面積で密度高く、
お店や商品のアイデンティティーを伝えるにはどうすれば良いのでしょうか。

濃密に伝えるという意味で、デザインが細部まで貫かれているのが
チョコレートショップ「Minimal -東武池袋 Metro Kitchen & Store」です。
26.26㎡の中に工房とショップが配置されています。
「無垢のチョコレート」という情報を空間で伝えるように、
チョコレートに施されるモールドの意匠をNCルーターで表現したウォールナット無垢材が
カウンター腰や壁面など、ショップの前面を覆います。
さらに無垢材ゆえに生じるソリや割れは、カカオ豆の外皮を練ったパテを埋め込んで補修するという、
割れや歪みといった表情を楽しむディテールの設計がされているのです。

Minimal ー 東武池袋 Metro Kitchen & Store（設計／松島潤平建築設計事務所　撮影／千葉正人）

商店建築11月号は、フードショップ特集の他、「カフェ大特集」掲載号でもあります。
こちらは全国のカフェの空間デザインを18例、紹介しています。

付帯の図面集「コミュニケーションを生み出すカフェの家具&什器デザイン」では、
カフェ&フードショップに掲載したお店のカウンターやベンチ、テーブルなどの詳細図を集めました。
（THE LITTLE BAKERY TOKYOの跳ね上げ窓兼ベンチの詳細図も！）

ぜひご覧くださいね！

〈玉木〉
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商店建築2018年11月号
新作/銀座ソニーパーク
業種特集1/カフェ大特集
業種特集2/ベーカリー&スイーツショップ
特別企画/心地良く滞在できるトイレスペースデザイン
2018年10月26日発売
￥2,100