こんにちは。9月に入り、涼しい空気が秋の気配ですね。

さて、今回のブログでは、商店建築9月号の緊急特集「杉本貴志の商空間デザイン 前編」をご紹介させてください。
タイトル通り、インテリアデザイナー杉本貴志さんに関する、大特集です。

今年4月に逝去された杉本貴志さん。
デザイン事務所スーパーポテトの代表として、
約50年間にわたり商業空間デザインの世界で活躍してきた杉本さんの功績を
改めて見つめ直したいと考え、この企画を立てました。
発売中の9月号と、今まさに制作中の10月号の2号にわたる特集です。

実は「商店建築」では、1人のデザイナーの方にフォーカスする特集は珍しいです。

しかし、浮き沈みの激しい商業空間の世界で、長年第一線で活躍を続けた
杉本さんのデザインを振り返ることは、
今の、そしてこれからの商空間デザインにつながることになると考え、
今回、緊急特集を組むことにしました。

杉本さんの仕事を多角的に見つめるため、
構成は以下のようにしました。



①写真で振り返る 杉本貴志の仕事 1972─1989

初期の杉本さんの主な仕事を、貴重な写真で紹介していきます。

当時、そのデザインの何が新しかったのか、重要だったのか。
その理解を補完してくれるのが、4人の方のコメントです。

スーパーポテト出身のインテリアデザイナーである飯島直樹さんと橋本夕紀夫さん、
その仕事を俯瞰して見てきた編集者松本軍四郎さんと鈴木紀慶さんにご協力をいただき、
目で追うだけでなく、深く読み込んでいただける写真年表となりました。


②座談会 
「スーパーポテト出身者が語る 杉本貴志に学んだデザイン思想」
 飯島直樹 × 新藤 力 × 橋本夕紀夫

杉本貴志さんが代表を務めたデザイン事務所・スーパーポテトの出身者の多くが、
現在、商空間デザイン界で活躍しています。
どんなやり取りからスーパーポテトの空間が生まれたのでしょうか。
杉本さんに学んだデザインの真髄とは何でしょうか。
スーパーポテト出身のインテリアデザイナー3者に、
在籍時のエピソードから今に生きる学びまで、語り合っていただきました。



③インタビュー 
「それぞれが語る、デザイナー杉本貴志」
白鳥美雄/高取邦和/北原 進/近藤康夫

杉本貴志さんと関わりのあったクリエイターの方々へのインタビュー集です。
今号は、4人の方に杉本さんとそのデザインを振り返っていただきました。
スーパーポテトの空間を撮影し続けてきた写真家の白鳥美雄さんには、レンズを通してみた杉本さんのデザインを。
スーパーポテトを共同設立したインテリアデザイナーの高取邦和さんには、スーパーポテトの設立秘話と一貫して大切にしてきたことを。
同時代を駆け抜けてきた北原進さんには、杉本さんのインテリアデザイン史における位置付けの考察を。
少し下の世代である近藤康夫さんには、ディレクターとして引っ張る杉本さんの姿を。

それぞれの視点から、語っていただきました。


④特別再録 対談  
内田繁 × 杉本貴志 聞き手/小泉 誠
「私が衝撃を受けたインテリアデザイン」


今から3年前、商店建築2015年8月号の創刊60周年記念号にて掲載した、
内田繁さんと杉本貴志さんの対談を特別に再掲載です。
1960年代後半のデザインのことから、共にインテリアデザイン界をけん引してきた2人のデザイナーの、
貴重な対談を改めて、読んでみてください。

9月28日発売予定の10月号では、
ホテルの仕事、海外のプロジェクトと広がるスーパーポテトのプロジェクトをまとめた年表後半、
教育者としての杉本さんの姿、クライアントから見た杉本さんの仕事、
原研哉さんや竹山聖さん、原兆英さんなど、建築家やデザイナーから見た杉本さんのデザイン、
そしてこれからのスーパーポテトについての新社長インタビューなど、さらに盛りだくさんになる予定です。

商店建築9月号、10月号、合わせてお読みいただければ、
杉本さんのデザインに一貫するものが見えてくることと思います。
そこから感じ取ったものを、ご自身のデザイン、クリエーションに生かしていただけたら何よりです。

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商店建築2018年9月号
特別企画/改めて、設計料を考える
業種特集1/ファッションストア
業種特集2/肉料理レストラン
緊急特集/杉本貴志の商空間デザイン(前編)

2018年08月28日発売

¥2,100



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