撮影/神宮巨樹

先日、『柳本浩市展「アーキヴィストー柳本さんが残してくれたもの」』の取材に行ってきました。
開催は、東京・自由が丘のsix factoryにて今週末6月4日(日)まで。あと3日間です。

レポートは商店建築7月号(6/28発売)にて掲載予定ですが、圧巻の空間をみなさんと共有したくブログでも少しお伝えしますね。


撮影/神宮巨樹

昨年3月に46歳で急逝したデザインディレクター、柳本浩市氏は、出版や企業との商品開発、ディレクションなど幅広い活動をされていました。
KDDIのiidaシリーズのプロデュースや代官山蔦屋書店のアドバイザリー、ショップ「HYPER MARKET」のディレクションなど、そのお仕事を目にされたことのある方も多いと思います。

一方、多彩なジャンルを探求するコレクターとしても知られ、その収集物や知識をさまざまなカルチャー誌や展示に協力提供をしていました。
特筆すべきは、ただ集めるだけでなく、ものやそれに関する印刷物などをファイリングで整理して、関連付け、ものの背景にある社会を捉えようとしていたこと。
自宅で見つかったファイルは1000冊にも上り、それでもごく一部だと言われています。


撮影/神宮巨樹

そんな柳本氏が残したものの価値を見つめ直し未来につなげるために、生前親交が深かったデザイン関係者の方々が主催したのが今回の追悼展。会場構成は設計事務所imaの小林恭さんとマナさんが手がけています。


撮影/神宮巨樹


撮影/神宮巨樹


撮影/神宮巨樹

牛乳パックや洗剤ボトル、ガムの包み紙、エアラインのノベルティ、ホテルのルームタグ…といった世界各国から集まってきたもの、もの、もの、そしてずっしりと厚いファイル達。
柳本氏の知識の幅と量を体現するように、それらが時に整然と時に雑多に所狭しと並べられた空間には圧倒されます。

カラフルで愛らしいもの自体を見てただ楽しむこともできるし、ファイルや映像、テキストを読み解くことで、柳本氏が見つめていた、ものとものの関係性やその背景に広がる社会といった深遠に思いを巡らせることもできる。

クラウド化が進み、世の中のあらゆる潮流がものを持たないミニマルな方向へとシフトしていますが、
ものが含有する圧倒的な情報量、それが集積した時に生まれる新しい価値、ものとものの関係性を示唆するアーカイブと空間構成の方法など、リアルな物質と空間が身体に訴えかける力を体感できる場となっています。

最終日となる今週日曜日には実行委員の方々による、展覧会を開催するに至った経緯、アーカイブについて、未来に向けてできることなどを語るトークイベントが開催されるそうです。

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6月4日(日)10:00 - 12:00
トークイベント
登壇者:中原慎一郎(有限会社 ランドスケーププロダクツ)、佐藤達郎(株式会社 デルフォニックス)、小林恭+マナ(設計事務所ima)、郷古隆洋(Swimsuit Department)、土田貴宏(ジャーナリスト)
モデレーター;熊谷彰博(デザイナー)
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多様なモノを一つのまとまりとして整理して見せるという意味ではショップデザインも同じ。
モノと空間にまつわるさまざまなヒントが詰まった会場に、足を運んでみてはいかがでしょうか。
ご都合つかない方はご安心を。
商店建築7月号(6/28発売)NEWSコーナーでレポート予定ですので、どうぞお楽しみに!

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柳本浩市展「アーキヴィスト ー 柳本さんが残してくれたもの」

会期: 2017年4月29日(土)~6月4日(日) 会期中無休
開場時間: 12:00-18:00
会場: six factory 東京都目黒区八雲3-23-20
入場料: 一般500円、大学生200円(学生証提示)、高校生以下無料
Facebook: www.facebook.com/Yanagimoto.Koichi.Exhibition/
主催: 柳本浩市展実行委員会
協力: 株式会社 良品計画
キュレーション: 熊谷彰博
会場構成: 小林恭+マナ/設計事務所ima
メインビジュアル: 野口孝仁/Dynamite Brothers Syndicate
編集協力: 上條桂子、加藤孝司
企画協力: まほうの絵ふで、Glyph.
会場内グラフィック: 田部井美奈
PR: 小池美紀/HOW INC.
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〈玉木〉

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