先日横浜で鑑賞したインスタレーション、「塩田千春『鍵のかかった部屋』」が圧巻でした。
開催は今月10日まで、残り5日間。

本作品は、昨年開かれた第56回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展の日本館代表作家として出展した展示「掌の鍵」を再構成した展示です。

KAAT神奈川芸術劇場スタジオ空間に張り巡らされた、大量の赤い糸、そこから吊るされる無数の鍵、そして五つの古い扉。
子宮に包まれた胎児の頃の記憶の風景にいるような、
誰かの思考のシナプスに迷い込んだような、
はたまたここで繰り広げられたパフォーマーの身体の軌跡を見ているような、
扉を開けたり座ったりしながらいろいろな考えが想起され、
感覚が揺さぶられる体験で、思わず長居をしてしまいました。


今週末はこの空間を会場に、音楽パフォーマンスも催されるそうです。

デザインは問題を解決し、アートは問題を提起する。
鑑賞後はそんな言葉を思い浮かべながら、電車に揺られ帰ってきました。
日常に刺激を与えてくれる力強さと不安定さをあわせ持ったアート、ぜひ体感してみてください。
〈玉木〉

————
塩田千春
『鍵のかかった部屋』

2016年9月14日(水)~10月10日(月・祝)
会場:神奈川県 横浜 KAAT神奈川芸術劇場 中スタジオ

時間:10:00~18:00(入場は閉場の30分前まで)
料金:一般900円 学生・65歳以上500円
詳細:http://kaat-seasons.com/chiharushiota/
————


商店建築2016年10月号発売中!
新作/コール
  櫻井焙茶研究所
街のすき間を彩るモバイル&コンパクトショップ
業種特集/ファインダイニング&レストラン
表紙:CALL
2016年9月28日発売
¥2,100



RSS2.0