来週から、西麻布の「ギャラリー ル・ベイン」で新作家具展があります。
出展作品は、内田繁さんによる新作棚とオブジェの他、内田さんの事務所でデザインを学んだ藤原敬介さん、米谷ひろしさん、山本達雄さんの新作家具です。

4人のデザイナーが、いまデザインを通してどんなことを実現しようとしているのか。それを知るきっかけになりそうです。また、同時に、デザインにおける思想、スタイル、アプローチなどがどう伝播するのかしないのか、そんな点に着目しても面白いかもしれません。
 
 家具デザイン展「ものから関係へ」
 会期:10月22日(火)~11月3日(日)(月曜休廊、入場無料)
 会場:ギャラリール・ベイン(東京都港区西麻布3-16-28)
    http://www.le-bain.com/gallery/
 
 
ところで、この展示会を深く見るために、補助線となる資料を一つご紹介します。
「月刊 商店建築」2012年8月号での「特別企画 インテリアデザイン教育論」です。テーマは、「所員や学生に対してインテリアデザインをいかに教育することができるか」でした。
藤原敬介さんと山本達雄さんに同席していただき、在籍当時のことを思い出しながら、内田繁さんにデザイナー教育の在り方を語っていただきました。藤原さんは入所した当初、内田さんから「おまえたちはデザインのことなど考えなくていい」と言われ、最初は不思議に思ったそうですが、後になって、その真意に気づいたといいます。また、多摩美術大学での米谷ひろしさんによる授業の様子をレポートしています。米谷さんは、目の前の設計課題に悪戦苦闘している学生たちに対しても、しっかり時間を取って「自分が将来どんなデザイナーになっていたいか、はっきりイメージしてほしい」と熱く語りかけます。
そんな面白い話がポンポン飛び出し、保存版の一冊となりました。
 
 http://www.shotenkenchiku.com/products/detail.php?product_id=167
 http://www.shotenkenchiku.com/blog/shuzai/entry-394.html
 
もうすぐ秋のデザイン週間です。目の前にあるデザインを見ながら、その背景にある思想やスタンスにも目を向けて、立体的にデザインを堪能してみてください。デザイナーを志す方々にとって、大きな成長の糧になるはずです。〈塩田〉


西麻布の事務所のテラスにて。内田繁さん、藤原敬介さん(右)、山本達雄さん(左)  撮影/神宮巨樹





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