近年商空間におけるグリーンの演出、効能に注目が集まっています。最近の例だと先月OPENした『東急プラザ表参道原宿』の屋上には“おもはらの森”があります。こちらは街の景観との一致、節電などを通した環境への配慮や生物多様性保全への取り組みにとしてうまれました。『東急プラザ表参道原宿』の詳細は6月28日発売の商店建築2012年7月号に掲載されます、もうしばらくお待ちください。

今回は弊社から以前刊行されていた増刊号『indoor green style SHOP&HOME』について紹介していきたいと思います。ガーデニングなどに関するスタイルブックは多く刊行されてきていますが、『indoor green style』は建物やインテリアなど空間からの視点で監修されている数少ないインドアプランツのスタイルブックです。売り切れ絶版状態だったのですが、好評につき去年創刊号だけ重版いたしました。



本書の目的はインドアグリーンの新しいスタイルの追求、可能性の探求になっています。インドアグリーンの持つ効用、可能性といった「なぜ」あるべきなのかという部分を解説し、実際に商空間、住空間においてどのようにグリーンを活用できるのかのケーススタディを示しています。



こちらのカフェでは森のような気持ちのいい、開放的な空間にするために様々な工夫が凝らされています。
採光性の高いガラス面、落ち着いた色調のウッドフロアはグリーンの中で過ごす上で視覚的・感覚的な心地よさを演出しています。すぐそばに土があることで匂いからも居心地の良さを感じることができます。また大型のグリーンを中にも外にもレイアウトすることで中と外の境界をなくし、ゆったりとした空気の流れを作り出しているのです。
さらにこの空間ではボリュームのあるグリーンを利用しているものの、シンプルな鉢を選ぶことで狭く感じない空間にしています。またグリーンのボリュームを天井の方に集中させることで店内のお客さんに圧迫感を与えず、むしろ空間的広がりを感じさせることに成功しています。



こちらは住空間でインドアグリーンを活かした例になります。グリーンは癒しの効果ももちろん持ちますが、空間演出のアクセントスパイスとしてもその効果を発揮します。
こちらはアジアンモダンを表現した部屋の写真になります、大ぶりのシダ植物のようなアジア亜熱帯に生息する植物を部屋にレイアウトするだけで部屋の雰囲気はアジアンになります。さらにソファの色調と合わせた植物を配置することにより、シックな空間演出に成功しています。テーブルの上の多肉植物もアジアン家具の中でアクセントとして部屋に彩を添えています。

本書後半にはインドアグリーンの持つ空気清浄能力解説やインドアグリーンの基礎知識と管理方法&仕立て方など、実際にグリーンを育て、手入れするための記事も多く扱っております。巻末には「indoor green selection」というタイトルでライフスタイルに合ったインドアグリーンをピックアップして紹介しています。また本書内で紹介した植物の特徴、管理方法なども記載しております。

グリーン、ガーデンの特集は近年ですと商店建築2011年8月号I’m home.No.58I’m home. no.54でも特集として掲載されています。どうぞこちらもご確認ください。

〈主濱〉


『indoor green style SHOP&HOME』 定価1,800円

商店建築社では定期誌である「月刊 商店建築」「隔月刊I'm home.」の他にも様々な書籍を発行しております。
商店建築社オフィシャルサイト上部にあります「増刊」からご確認ください。



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