少し聞き方を変えてみます。京都で1泊2日自由に過ごすなら、どんな風に過ごしたいですか?

日中はお寺を巡って、夜はおばんざいを食べて、町家を改装したホテルに泊まって。。
何度目の訪問かにもよると思いますが、こう答える人は多いのではないでしょうか。
もちろん、今書いた旅程がダメな訳ではありません!むしろ、おすすめの京都観光を聞かれたらこう答えますし、間違いなく充実した滞在になると思います。

でもそこで、もう一歩踏み込めたら、とも思うのです。

最初の質問に対して、8割ぐらいの人は「歴史があること」や、「伝統が残っていること」だと答えるのではないでしょうか。
では、京都の現在、未来についてはどう思いますか?

少し長くなりましたが、前振りはこの辺りで終わりにして本題に入りましょう。
10月28日発売の「商店建築」11月号では、初めての取り組みをしています。
それが、挟み込み付録「京都インテリアマップ」です。


京都市中心部、京都駅周辺、嵐山周辺など、地域別にマップを掲載しています!



インバウンドの増加を背景に、京都ではここ数年、とてつもない勢いでお店が生まれています。
町家を改装したショップやホテルはもちろん、地元の人が楽しめるカフェなど、商店建築でも、毎月と言っていい程多くのお店を掲載しました。

「京都インテリアマップ」は、過去10年間に掲載した京都のホテル/カフェ/レストラン/ショップなど125件を地図にプロットし、業態や設計者を一覧にまとめた、商店建築的視点のガイドブックです。

さらに後半では、
インテリアデザイナーの辻村久信さん(辻村久信デザイン事務所+ムーンバランス)
建築家の山中コ〜ジさん(GENETO)
不動産プランナーの岸本千佳さん(アッドスパイス)
400年続く茶陶、朝日焼の十六世松林豊斎さん、ブランドマネジャーの松林俊幸さん
をゲストに、異なる四つの視点から、京都の過去、現在、未来について聞いたインタビューを掲載しています。




この企画をしたのには、いくつか理由があります。
一つは、観光都市である京都を店舗デザインの視点から捉えたマップがあれば、単純に便利なのではないかということ。
単純に観光としても、勉強としても活用できるものになればと構成を考えました。

でき上がった地図を眺めると、土地ごとにお店の性格も少しずつ違っていて、その場所の個性がよく現れているように思います。

もう一つが、京都を「過去が残っている観光の街」ではなく、「暮らしがある街」、さらには過去と同じように「現在、未来がある街」だと捉えてもらいたい、という思いがあったことです。

トレンドとして、観光は名所を巡るものから、その土地の日常を体験するものへと変化しています。
一方で、観光だけに目が行くと、同時に存在するはずの日常が保てなくなってしまいます。
インタビューを掲載している4組へは、観光と生活の関係についても聞いてみました。

お店が一つできると通りの雰囲気が変わり、通りが変わると街全体が変わります。
古いものを守るだけではなく、新しいことへの挑戦も続ける京都の現在を感じてもらえると幸いです!


〈平田〉


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商店建築2019年11月号

https://www.shotenkenchiku.com/products/detail.php?product_id=348

大特集/個性を打ち出すホテル&ホステル
〈テーマで訴求するコンセプチュアルホテル〉
〈充実した共用部で体験価値を上げるホステル〉
〈“日本”を感じさせるホテル〉
〈そこにあるものを生かして泊まる〉
〈中東・アジアの都市型&リゾートホテル〉

挟み込み付録/京都インテリアマップ

表紙:マンダリン オリエンタル ジュメイラ ドバイ
2019年10月28日発売

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