本日、増刊『商店建築 特別企画 NEW STANDARD HOTEL』が発売になりました。一部の地域では緊急事態宣言が発令され、観光業は逆風が吹き荒れています。しかし近年、多種多様なお客様を迎え入れるべく、さまざまに趣向を凝らしたホテルや旅館がオープンしました。それらは、柔軟な運営を試みつつも、当初に企図したコンセプトを通し切ることで、この状況を乗り越えようと奮闘しています。
 確かに今、宿泊を楽しんだり、新たな宿泊施設を企画する段階ではないかもしれません。しかし、この現状を踏まえた宿泊施設を紹介することで、新たなホテルデザインのあり方が見えてくると考え、一冊にまとめることにしました。是非、ご覧いただけますと幸いです。

〈企画趣旨〉
 東京オリンピック・パラリンピックは、新型コロナウイルスの影響で延期となり、2020年に開催されることはありませんでした。しかし近年、国内外の観光客を迎えるために数多くの宿泊施設が開業を迎えており、それぞれが意図した宿泊スタイルには大きな進化を感じさせるものがあります。
 そこで、月刊『商店建築』の特別企画として、ウィズコロナやアフターコロナを踏まえたホテルデザインを一冊にまとめました。『商店建築』にはまだ掲載されていない、新たな宿泊スタイルを提案する25件のホテルや旅館を紹介。写真や図面、設計者による解説原稿、設計データ、営業データを通して、どのような強みを持っているのかを探っていきます。


撮影/エスエス


客室内での滞在を楽しむラグジュアリーホテル「大山初里」は、中国・杭州市内から車で約2時間の場所に位置する限界集落にあります。客室のリビングから連続する水盤上には、ティースペースが設けられました。(設計/小大建築設計事務所)


撮影/志摩大輔


気兼ねのない時間を過ごす一棟貸し宿泊施設「岸家」は、神奈川・鎌倉の由比ヶ浜沿いに位置します。敷地内は、一部を住宅とした「母屋」と旅館の「離れ」で構成。「離れ」1階の窓を開け放つと、遠くに海が望むことができます。(設計/G ARCHITECTS STUDIO)


撮影/ナカサ&パートナーズ


フロントでの接触を極力抑えたセルフチェックイン型ホテル「星野リゾート BEB5土浦」は、自転車と共に泊まれるサイクリングホテルでもあります。(設計・ホテル計画/佐々木達郎建築設計事務所 建築/JR東日本建築設計)


撮影/益永研司


ワークスペースを提供するビジネス客対応型ホテル「THE LIVELY AZABUJUBAN TOKYO」は、旅に仕事を持ち込む環境を提供しています。(内装設計/DESIGN STUDIO CROW 建築設計/長谷工コーポレーション A.A.E一級建築士事務所)


撮影/志摩大輔


デスティネーションとなるアートホテル「YOLO HOTEL MUSEUM」は、大阪・新今宮の外国人専用就労インバウンドトレーニング施設内にあります。架空の宿主を設定し、空間に作品を採り込んでいきました。(内装設計/スーパーマニアック 建築設計/交建設計)



巻頭特集では、「コロナ禍を通して見えた新たなステイ・スタイル」と題して、ラグジュアリーホテル、セルフチェックイン型ホテル、ビジネス客対応型ホテル、アートホテルの運営者を軸にインタビュー。コロナ禍への柔軟な対応をしつつも、当初のコンセプトをより洗練化していく試みを紹介します。


商店建築 特別企画 NEW STANDARD HOTEL

ウィズコロナやアフターコロナを踏まえ、新たな宿泊スタイルを提案する25件のホテルや旅館を紹介。写真や図面、設計者による解説原稿、設計データ、営業データを通して、どのような強みを持っているのかを探っていきます。

表紙:「大山初里」(設計/小大建築設計事務所 撮影/エスエス)
2021年1月15日発売
¥3,000円+税

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