今回はJAPAN SHOPと同時開催の「建築・建材展 2012」に出品された製品から「Paper Wood」をご紹介します。



ベニヤ板の通称で呼ばれる合板。古くは紀元前3500年前の古代エジプトにおいて合板で作られた製品が産出されているそうです。

無垢板と比較して安価で、耐久性にも優れ、且つ厚さやサイズのバリエーションも豊富な合板は、建築部材としてよく使われる素材ですが、その用途は下地材であることが多く、木口が見える使い方は一目で合板とわかるため嫌われる傾向にあります。

そんな合板の特性に注目し合板の可能性を広げようと、デザインスタジオ「DRILL DESIGN」、特注家具設計製作の「FULL SWING」、合板メーカー「滝澤ベニヤ」の3社が共同で開発したのが「Paper Wood」です。


木口を45度にカットしてタイル状に貼りつけた例


通常合板は、丸太をかつら剥きして単板をつくり、できた単板の繊維方向を互い違いに重ねて接着しますが、「Paper Wood」は、単板を接着する際に厚みのある色紙(再生紙)を挟み込んで接着します。完成した合板をカットすると木口には上の写真のようなカラフルなストライプ柄が現れます。


棚板として使用した例。思わず見せたくなる木口です


色紙は単色のほか、レッド×オレンジなど2色で構成することもできます。基本シリーズは五つで、サイズ:910×1820㎜、厚み:10、17、24、30㎜など。サイズ、カラー、表面材すべて特注に対応しています。

滝澤ベニヤは、1936年の創業以来、一貫して合単板を製造するメーカーで、単板の接着はいまでもひとつひとつ手作業で行っているそうです。丁寧なものづくりを続ける同社だからこそ、デザイナーのアイデアをカタチにできるのですね。今後、どんな素材が生まれるのか楽しみです。
〈川上〉

製品に関する問い合わせ先
滝澤ベニヤ
URL/http://www.takizawaveneer.co.jp
TEL/0124-27-3111

*商店建築のオンライン製品情報サイト「PRODUCT INFORMATION」では毎月、店舗向けの建材や設備を紹介しています。是非ご覧ください。



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