速報/デザイナーが自ら案内するアワード受賞作
2013/02/06 月刊商店建築
デザイナー自らが国際的アワード受賞作の空間で、じっくり設計コンセプトを語る。
そんな見学会に行ってきました。
場所は、パレスホテル東京(商店建築2012年6月号掲載)のチャペル。このチャペルが、2012年度のアジアデザインアワードで、大賞と金賞をダブル受賞しました。
設計者は、乃村工藝社の平田裕二さんです。
受賞を機に、改めて、実際にその空間の中で設計者自身がデザインコンセプト、素材選び、構造体のスタディー、メンテナンス性などについて語りました。
プレゼンに使用した模型、スケッチ、パースなども見せながら、たっぷり1時間。
開始時刻にはチャペルに自然光が差し込んでいましたが、終わる頃には大開口部からロマンチックな東京の夜景が見え始めていました。
包みこむような優しさを表現し、ロケーションの良さを最大限生かしたチャペル。
白塗装のスチールを手仕事で組んだ「ベール(膜)」に包まれた空間は、温かさと軽やかさを感じさせます。
この表現を実現するために、所々に構造的な工夫がなされています。
荷重を分散させるために天井からの吊り構造とし、さらに水平方向に細いワイヤーを通すことにより横揺れに対する強度も持たせたそうです。
また、なるべくフラットでシンプルな天井面とするために設備やメンテナンスのためのキャットウォークを天井裏に設けています。
今回のツアーで興味深かったのは、現地でデザイナーの話を聞けたこともさることながら
オープン後のクライアントや利用客の反応を伺えたこと。
東京の景色を見通せる絶好のロケーションであること、宗教色のないシンプルなチャペルであること、
などの理由からお客さんの評判も上々で、なんと1日最大12組が婚礼をあげているそうです。
平田さんとパレスホテルの関係を表すエピソードを一つご紹介。
スチールパイプを水平に組んだデザインのチャペルに対し平田さんがパレスホテルの方に
「メンテナンスはきっと大変ですよね、だいじょうぶでしょうか」
と質問したところ、パレスホテル側は
「このデザインはうちの商品ですので、ケアするのが当たり前です」
と返ってきて、平田さんはとても嬉しかったそうです。
上質なデザインを認めて受け入れる姿勢が、良い環境をつくっていくのだと改めて感じました。
〈塩田、玉木〉
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商店建築12年7月号では、東京スカイツリータウンプロジェクトへのインタビューを掲載!
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