「内田繁・家具コレクション展」へ行ってきました。
六本木のギャラリー、ル・ベインで開催中です。

内田繁さんの40年以上に渡るデザイン活動の中からセレクトされた家具やオブジェが展示されています。

淡い色合い、オーガニックな素材感、経年変化などを重視したデザインを多く見掛ける今日にあって、改めてここに展示されている内田さんの家具を見ると、そのビビッドなカラーと幾何学的で明快な造形が印象的です。
しかし、興味深いのは、内田繁さんの家具作品の出発点と言える「フリーフォームチェア」(1968)は、むしろ、決まった形を持たないことをテーマにしており、色味も決してビビッドではないということです。

飲食店や物販店のデザインを多く手掛ける一方、「日常/非日常/脱日常」「住空間」などをテーマにデザインを考え続けてきた内田さんにとって、家具は重要なフィールドと言えます。
会期は、9月13日(木)まで。ご興味ある方は、ぜひ会場へ。

なお、内田さんの最新インタビューは、「商店建築 8月号」53ページに掲載されています。「デザイン教育」をテーマに語ってもらいました。
また、内田さんの手掛けた最新の空間は、浅草に先月オープンした「ザ・ゲートホテル雷門 by HULIC」で見ることができます。









そして、鮮やかなカラーリングが印象的な展示会をもう一つご紹介します。
外苑前のプリズミックギャラリー(東京都港区南青山4-1-9 秋元南青山ビル1階)で開催中の「エマニュエル・ムホー展 色切/shikiri」です。


 
建築家エマニュエル・ムホーさんの発想のエッセンスが、オブジェ、家具、建築模型で表現されています。
ビビッドでインパクトのあるカラーリングと、棒状(や針状)の弱く儚い形状が、対比的に組み合わせられています。
この世界観でインテリアや建築をつくるとどうなるか。フローズンヨーグルトショップ「ブルーベリー」(2012年9月号)や「巣鴨信用金庫 志村支店」(2011年8月号)がその実例です。

近年、取材で設計者の方々にお話を伺っていると、空間の設計だけでなくブランディング能力まで求められるケースが増えていることを実感します。そうしたブランディングを考える時、空間デザイナーの方々は、今まで以上に色をどのように空間で生かすかについて考える機会が増えるのではないかと思います。
色について考えてみたい方は、ぜひプリズミックギャラリーへ。
こちらは、9月28日(金)まで。
〈塩田〉









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