文化人類学を応用すると
2011/08/05
六本木のアクシスギャラリーにて、展示会「ETHNOVISION(エスノビジョン)」を見てきました。
マーケティングリサーチ、機能検討、デザインなど、製品開発のプロセス全般に関わる興味深い展示。たった二日間しか開催されないのが、残念なほどです。
ETHNOVISIONとは、文化人類学の民俗調査などで行われてきたフィールドワークの手法を、現代の製品開発に取り入れてみようという挑戦です。公式サイトによれば、「生活者洞察に基づくアイデア開発」を起点とした「新しい需要の創造」を目指す試みなのだそうです。
今回のエキシビションは、博報堂内で昨年発足したコンサルティング専門チーム「ETHNOVISION」がどのようにその手法を実践しているのか、分かりやすく伝えていました。特に、男性向けのコスメグッズ開発という具体的なプロジェクトを想定したワークフローの展示だったので、来場した若い男性たちは、自分の無意識が掬い上げられているような気恥ずかしさと納得を感じながら会場を散策したのではないでしょうか。
会場で博報堂のコンサルタント、板井麻美子さんにお話をうかがうと、「仮説に縛られず、幅広い視点からの生活リサーチ」「定量的より定性的」「言わない事象、見えない事象を掬い上げる」「エクストリームユーザー」など、気になるキーワードがたくさん飛び出しました。
なぜ今、エスノグラフィー的アプローチなのでしょうか。そこから何が見えるのでしょうか。商業空間のデザインにも応用できるのでしょうか。興味は尽きません。
詳しくは、デザインジャーナリストの高橋正明さんが執筆中の好評連載「社会を変えるデザインキーワード」にて、10月号の回で詳しく考察します。なお、この連載では、空間設計やデザインという職能を新たな領域へと押し広げているヒト・モノ・コトをピックアップし、その可能性を考えていきます。乞うご期待。
http://h-foresight.com/ethnovision/index.html
http://www.hakuhodo.co.jp/pdf/2010/20100830.pdf
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