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ユニット化された家具を次々搬入

お茶の水のビジネスホテル「お茶の水イン」のリニューアル工事をレポート中のこのコーナー。しばらく間が空いてしまいました。

9月になっても東京は、最高気温が35度前後と暑さが続いている。そんな中、今日は、7、8階の客室へ家具を搬入する日。

20人近い作業スタッフが、ユニット化された家具を次々と各部屋へ運び込んでいる。大きいものは、エレベーターに載らないので、階段を使って上がっている。これは重労働だ。まずは、8階に上がって、現場管理を担当されている株式会社ファクターの佐伯さんにご挨拶。

そして7、8階の客室を覗いてみると、各部屋には、できるかぎり工場で組み立ててから運び込まれたベッドヘッドボードやデスクが置かれている。そのため、大きいバーツは、客室のドアを通れるギリギリのサイズ。
あとは客室内では、設置したり電源コードを通したりといった比較的細かい作業で済む。こうすることで、現場での工期短縮と騒音低減をはかる。

とはいえ、ホテルは営業中。しかもエレベーターは一基。そこで本日は、チェックアウトがひととおり済んだ午前11時過ぎから搬入を開始し、5時間以上かけて、2フロア分のデスク、ベッドヘッドボード、オープンクローゼットなどが搬入された。この後は部屋での設置作業がつづき、7、8階は、9月5日にクライアントへ引き渡される予定。


客室に運び込まれた家具。デスクの穴の部分には、オーディオ機器がすっぽり納まる


オープンクローゼットを設置中

こうなると、この搬入された家具がどのように設置されるのか気になるところ。そこで、実は4階だけが既にリニューアルを終え、8月23日に引き渡し済みなので、支配人の服部さんに4階を案内していただいた。服部支配人いわく、「さっそくこのフロアに宿泊した常連のお客様からは、『違うホテルに来たのかと思った』と言われるほどイメージチェンジしました」。

4階に入ると、廊下のカーペットがダークで都会的な色になっている。
「1フロアに19室ありますが、部屋タイプは11パターンもあるんです」(服部支配人)。ということは、家具のバリエーションも多くなるから、設計にかなりエネルギーがかかりそうだ。各部屋へ入ってみると、デスクが広くてビジネスマン向きの客室や、ベッドが大きくリラックスできそうな客室など、バリエーションがある。壁紙も、部屋によっていくつかの色味を使い分けている。

ベッドヘッドボード部分には光沢のあるメラミン化粧板を使い、そこにLED読書灯やLED間接光が仕込まれている。スタイリッシュな雰囲気。
クローゼットはオープンタイプとし、一つのボードの中にハンガーラックと姿見が一体化されている。
改装前に訪れたときは、客室の天井が意外に高いということに気付かなかったが、リニューアルされた部屋に入ってみると、「あっ、天井が高い」と感じる。確かに、設計者の大塚孝博さんは設計前に「天井高を生かした客室デザインにします」と話していた。では、なぜ天井が高く感じられるようになったのか、ぜひ現場を観察してみてください。

ところで、アメリカの三大ベッドメーカー「3S」といえば、シモンズ、サータ、シーリーだが、今回、お茶の水インではシモンズとサータのベッドを採用。「柔らかめが好きな方はシモンズで、固め好きな方はサータで、とお好みに合わせて楽しんでいただけたらと考えています」(服部支配人)。部屋によってベッドサイズは異なるが、ややゆとりのある部屋には幅1400mmや1500mmのワイドなベッドを入れている。


4階廊下


ベッドヘッド部分。LED読書灯つき


サイドテーブルは、就寝時に時計、メガネ、携帯電話を置くのにちょうど良さそうなサイズ


オープンクローゼットまわり。間接光が天井と壁の取り合い部分を柔らかく照らす

さて、スタイリッシュな空間へとリニューアルされつつあるお茶の水インですが、もともと「旅館 芙蓉閣」として85年前に創業。30年前にホテルへと業態変更した。服部支配人が3代目の主人だ。すぐ近くの神田明神に、創業者が奉納した石の燈籠が2本あるということで、帰りがけに案内していただいた。すると、なんと「金運良好」や「資産増加」の功徳があると言われる大黒様の両サイドに重厚な燈籠が。 これはビジネス面でも縁起が良さそうである。出張でお茶の水インへ宿泊される方は、お詣りに行ってみるといいかもしれません。


神田明神。大黒様の両側に2本の燈籠


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