カーテン越しに東京・渋谷を望む表紙は、「hotel koe tokyo」(設計/サポーズデザインオフィス)


『GOOD DESIGN HOTEL vol.2』が、前号の好評を受け、本日発売になりました!
今回も、ライフスタイルホテルから、旅館、ドミトリーまで多種多様な宿泊施設を掲載。また、ブランド体験やコミュニケーション構築をテーマにしたホテルも紹介します。
10連休のゴールデンウィークの過ごし方がお決まりでない方は、この本を参考にしてみてはいかがでしょうか。

ホテルは、ただ心地良く睡眠できるだけでなく、どのような体験を享受できるかという、宿泊スタイルの表現が問われる時代を迎えています。考察されるべきデザインの領域も広がり、空間や家具、什器、照明のみならず、ロゴやグラフィック、サイン、備品、アメニティー、グッズといったさまざまなアプリケーションにまで及びます。そして、それらに密接なつながりを持たせることで、施設全体を通して宿泊者にコンセプトを訴求するのです。
この増刊では、前回と同様に写真や図面、デザインコンセプト、運営・設計データを交えて、さまざまな業態の宿泊施設を紹介します。一部の客室平面図には、寸法線や仕上げ材が追記されており、空間を詳細に把握することができます。
また巻頭では、「ホテルの世界観を具現化するアプリケーション・デザイン」をテーマに、アートとデザインの双方からさまざまなプロジェクトにアプローチする川上シュンさん(art less Inc.)と、設計と同時進行でグラフィックやサイン、備品、アメニティーといったアプリケーションのデザインも手掛ける中原典人さん(UDS)にインタビュー。ホテルの世界観を具現化するアプリケーションのつくりかたを探ります。
空間デザイナーだけでなく、ホテル開業希望者やホテル好きにもおすすめの一冊です。


(設計:内装/ YUSUKE SEKI 建築/エス・ティ プランニング)

「KUMU 金沢 -THE SHARE HOTELS-」
「ローカルに出会う旅」をコンセプトにしたホテルブランド「THE SHARE HOTELS」。「KUMU 金沢」の「くむ」という言葉には、「組む」「汲む」「酌む」というように、一つの要素に複数の情報が入っている。フロントやラウンジ、ティーサロン「KISSA & Co.」で構成された1階の天井には、木組みの格子が広がる。同フロアはさまざまなイベント会場やレンタルスペースとしての使用も想定しており、格子は空間を仕切るパーティションのレールの役割を果たす。


(設計:UDS 建築共同設計/岡部義孝建築設計事務所)

「HOTEL LOCUS」
「島全体をリゾートとして捉える」を運営コンセプトに、地域とゲストをつなぐ拠点となるホテルのあり方を目指した「HOTEL LOCUS」。「Hand Craft Design」をデザインコンセプトとし、一人旅からファミリーまで対応できるよう、13〜36㎡の多様な7タイプを計画している。インテリアや家具は、集成材の素材感や小口をあえて見せることで、親しみやすさとカジュアルさを演出した。また、小上がりやメゾネットなど高さによる工夫で広がりを持たせ、客室備品を壁掛けにすることで、コンパクトな空間での快適性を追求している。


(プロデュース:スーパーポテト 設計:MUKU design studio)

「MUJI HOTEL SHENZHEN」
79室の客室と800坪の物販店舗、それをつなぐダイナーを通して、衣・食・住を表現。「MUJIのあるライフスタイル」を体験できる施設づくりがなされている。また、機能的要素を徹底的に絞り込み、MUJIの基本理念「“これがいい”ではなく“これでいい”」を具現化した。
ホテルのロビーやダイナーでは、木や土などのナチュラルで素朴な素材を基調とし、現地で手に入れた古木材や船の甲板などをインスタレーションとして使用。空間の密度を増している。


(設計:客室/日建スペースデザイン 共用部/石井建築事務所 建築/安井建築設計事務所)

「エクシブ鳥羽別邸」
会員制リゾートホテル「エクシブ鳥羽別邸」の施設全体のコンセプトは、「庭屋一如」。日本庭園と建物に一体感を持たせている。客室は、外部と室内とのつながりを意識した空間構成に「陰翳礼賛」の思想を加え、更なる日本らしさを追求。自然のありさまに即した「非対称」な平面や空間構成に、外部と内部をつなぐ緩衝的な「入側」を配した。温泉付客室「スーパースイートグレード(Sタイプ)」(116.83〜162.76㎡)では、「欄間」や「床の間」でアクセントを与え、「障子」で空間を柔らかく仕切っている。


(企画:下遠野 亘 設計:&SPICE.)

「THE KITCHEN HOSTEL AO」
1階メインダイニングと2階ドミトリーで構成。ダイニングは宿泊者以外も気軽に利用でき、開口部に沿って設けたテラス席は、にぎわいを演出する。企画・設計・経営を手掛ける下遠野亘氏は、「食べて、飲んで、そのまま泊まれる空間を手掛けたいと考えた」と語る。ドリンクパントリーと一体化したフロントは、宿泊者同士や地域の人々との情報提供や、交流の場となることを意図した。ラウンジスペースやベッドの壁面に設けた書棚には、沖縄に関する書籍を揃えており、充実した宿泊体験に寄与する。

 
 


『GOOD DESIGN HOTEL vol.2』
〜新たな宿泊スタイルを描くホテルデザイン〜


発売日/2019年3月28日
定価/¥3,241+税
形態/A4判正寸・144ページ
表紙/hotel koe tokyo
  (設計/サポーズデザインオフィス)

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