東京・紀尾井町で、青木淳さんとMONGOOSE STUDIOによるインスタレーション「ぼよよん」を見てきました。

展示スペースには、白いリングがつながり、細いながらもボリュームのある塊が吊られています。この塊は、約8000個のポリプロピレンのリングにより構成され、リング自体に弾力があり、揺れを感知するセンサーによって、光と音に連動しています。
リングの集まりを押したり引っ張ったりすると、「ぼよよ〜〜〜ん」と音が鳴り、光が強くなったりします。強く動かすほど、その光と音は大きく鳴ります。
大人が無邪気に遊んでしまう「ぼよよん」とは、いったい何でしょうか。

コンセプトを説明した紙片には、「ぼよよん」に関する短い説明文が書かれていました。「『ぼよよん』の逆は『がっしり』、のような気がします」と書かれています。さらに、「『ぼよよん』と『がっしり』には、意外な共通点もあって、それは、結局のところ壊れない、というところです」とあります。
どうやら「ぼよよん」は、反モダニズムの一つの実践のようです。
 
つまり、「がっしり」はモダニズムで、「ぼよよん」は反モダニズム。
モダニズムは強固ですが、「ぼよよん」は柔らかい。
モダニズムは無反応ですが、「ぼよよん」はインタラクティブに反応する。
モダニズムは視覚的ですが、「ぼよよん」は視覚に加えて聴覚や触覚(手触り)も刺激する。
モダニズムは比較的、部品と部品の切れ目がはっきりしていますが、「ぼよよん」は単位の切れ目がはっきりしない。
モダニズムは機械のようですが、「ぼよよん」は生命体のよう。
会場で、そんなことを感じました。



今回のインスタレーションでは、青木淳さんの指名により、MONGOOSE STUDIOがインタラクティブな提案やプログラミング技術で協働しています。
MONGOOSE STUDIOは、これまで、触れることで光や色が変化するファニチャー「fuwapica」などを通して、デジタル制御を用いて五感を刺激するインターフェースを提案してきたクリエイティブ集団です。
両者の過去のコラボレーション「マサキクリニック」を、商店建築09年2月号で取材しています。
 
両者の「ぼよよん」におけるコンセプト、技術については現在、取材中です。
「月刊 商店建築10月号」(9/28発売)にてご紹介いたします。ぜひご覧ください。

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「ぼよよん」
青木淳建築計画事務所MONGOOSE STUDIO

会期/ 2011年7月26日(火)〜8月12日(金) 
    10:00〜18:00 (7月31日、8月6、7日は休館)
会場/オカムラ ガーデンコートショールーム
東京都千代田区紀尾井町4-1ニューオータニガーデンコート3階


商店建築09年2月号



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