現在発売中の商店建築4月号に掲載ております「カジュアルレストランの平面計画」でインタビューをさせていただいた、フードビジネスコンサルタントの竹谷稔宏氏には弊社から何冊か書籍を出していただいております。
今回は去年竹谷氏に執筆していただき、この春より書籍化致しました『スケッチから学ぶ新しい飲食店づくり』を紹介させていただきます。


表紙と裏表紙にて30業種のキッチンスケッチを紹介


 現在飲食店づくりをになうインテリアデザイナーの役割は近年大きく変わってきました。以前のように飲食空間にデザインという付加価値を与えるだけではなく、お店のコンセプト、企画情報を理解し、より機能的かつ効率的な空間づくりを求められるようになっています。
 この新たな役割へアプローチする際の参考書としてデザイナーの方々が活用しやすいよう、業種業態ごとにスケッチ、図面を用いて設計のポイントやキッチンのディテールまで、具体的に図解しています。


 こちらは串焼き居酒屋のキッチンをスケッチしたものになります。この業態では食材を串に刺して焼くという単純な調理しかできないからこそ、『こだわり』や『独自性』がビジネスを成功させるポイントになります。キッチンの中でどの設備をお客さんの目に触れさせるか、お客さんの導線はどのようになっているかも解説しております。
 設備機器の置き方、こだわりの見せ方、ターゲットの選定、メニュー構成など串焼き居酒屋が注意しなければいけない細かいポイントまでスケッチと図面を用いて言及しております。


もう1点紹介するのはステーキレストランのスケッチです。現在ステーキレストランのスタイルは多様化しており、牛肉料理のみの店から豊富なメニューバリエーションを持つ店まで、大人向けの高級な店からファミリー向けの低価格帯の店まで、その例は枚挙に暇がありません。このスケッチでは肉が調理されているチャコールブロイラーにお客さんの視線を集めることを主眼としたキッチンを紹介しています。
 現代の時流に対応したステーキレストランが考えるべき立地戦略、ブランディングの手法から店内の平面計画、ゾーニング計画のポイントも詳細に解説しております。キッチン内の設備機器の配置計画など非常に細かい部分までポイントを設けて説明しております。




 本書では全30業種のコンセプトについてここに書いてあることよりも、より具体的かつ詳細でわかりやすい解説を掲載しております。これからのインテリアデザイナーが持たなければいけない厨房設備、経営、ブランディングなどの総合的な知識について幅広くカバーできるような本になっております。
 またここで得られる知識・情報はインテリアデザイナーだけではなく、設計、施工を担当する方々にとっても、今後非常に大切になってくるのではないでしょうか。この春から飲食店に携わる方にとって、飲食店の実務的基礎知識を身に着けるのに最適な実務書になっております。他の弊社書籍と合わせて是非ご一読ください。

〈主濱〉


飲食店から学ぶ新しい飲食店づくり 定価3,900円



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