トーキョーブレジュハウスの誌面。新しい時代のリッチさの表現が見えてきます


こんにちは。
毎月ご愛読ありがとうございます。

今日は、最新号、5月号の「新作特集」に関する話。
誌面に載せきれなかった話を書きます。
よろしければ、10分ほどお付き合いください。


ここ数年、面白くなってきた二子玉川駅周辺エリア。特に大きな核となっているのが、この蔦屋家電。建築・デザイン関連書籍も充実しています


トーキョーブレジュハウスの誌面

ここ数年、二子玉川駅周辺のエリアが、非常に面白くなっています。二子玉川ライズの整備、そして特に、蔦屋家電の進出が大きな原動力と言えます。

そんな二子玉川エリアで最近の注目店の一つが、レストラン「TOKYO BREJEW HOUSE (トーキョーブレジュハウス)」
最新号「商店建築 2016年5月号」にて、巻頭の新作特集に掲載されています。
このレストランの特徴は、「フリージングフード」。「フローズンフード」ではなく、フリージングフードです。そこに事業者が込めた思いは、「従来の多くの冷凍食品(フローズンフード)とは違い、食材を選び、レシピにこだわり、冷凍技術にも工夫をこらし、添加物をできるだけ排除した身体にも優しい美味しい食品を目指す」ということ。
だから、このレストランのメニューは、若干の生野菜などを除き、ほぼすべてフリージングフードで構成されています。さらに、店先にはエントランスアプローチを兼ねたショップが併設されており、そこで、これらフリージングフードを買って帰ることもできます。ショップには、レストランメニューに載っていない商品もあります。フリージングフードに多様なバリエーションがあるので、それらを組み合わせて、自宅でコース料理をつくることも可能。
個人的には、ホームパーティーの場面などで利用しても盛り上がりそうだなと感じました。
 
すみません、フードの話が長くなりました。
デザインの話もしましょう。
店内は、素材を大切にした商品やメニューに合致するような、ナチュラルな素材感を感じられるデザインです。店内にはボリューム感ある植物もディスプレイされていて、目の前に広がる屋上テラスとの連続性を感じさせます。オリジナル制作したペンダント照明が、邸宅の食卓のような温かい雰囲気を生み出しています。
空間デザインを手掛けたのは、緒方慎一郎さん率いるシンプリシティ 。
 
ランチ、カフェ、ディナー、いろいろな時間帯で利用可能なので、一度訪れてみてください。




レフェルヴェソンスの誌面

さて、最新号、5月号に掲載されているもう一つの新作プロジェクトが、レストラン「L'Effervescence(レフェルヴェソンス)」
シェフの進化に合わせて行われた改装プロジェクトです。
ポイントは、「店内に関してはギミックを設けず主張しない空間を」というクライアントからの依頼を受けた生まれた空間デザイン。木、土、石、漆喰といった自然素材が、存在感を放ちつつも主張しすぎず、料理の背景として落ち着いた佇まいを見せています。設計者の斉藤力さん(デザインスタジオグラム)による原稿で、素材の用い方が詳しく解説されているので、必読です。


レフェルヴェソンスの誌面。大きな写真で素材感を堪能してください

この二つの店舗。
どちらも、ゆったり食事をできるレストランです。
この2店には、どこか共通点を感じませんか。例えば以下のような。
 
・ビビッドではなく柔らかい色合い。
・自然素材の素材感。
・手作業の痕跡。
・和風とも洋風ともつかず、両者の要素が融合している。
・ゴージャスやラグジュアリーとは違うけれど、豊かさと深みがある。

 
日々多くの店の取材を通して感じるのは、ここ数年、このような特徴こそが、これからの時代の新しいリッチさの表現になりそうだということです。いや、既になりつつあります。ここ数年、このような空間デザインが多数生み出され、弊誌にも掲載されています。
 
この2店を誌面でよく見た後、できれば実際にその空間を訪れて、食事をしながらその空間の質感を体験してみてください。新しい時代のリッチさを五感で堪能できるはずです。

 
 
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日本で唯一、店舗デザインの最新事例とセオリーが学べる月刊誌「月刊 商店建築」
最新号は2016年5月号。
こちらでも、目次のチェックやご購入ができます。

本日も、最後までお読みいただき、ありがとうございました。〈塩田〉



【2016年5月号は以下のような方々にオススメです】
●現在、レストランの設計を進めている設計者の方々。
●レストランの出店を計画中のオーナーの方々。
●これからのリッチさとは何かを探求してみたい、デザイナーやオーナーの方々。






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