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レセプションカウンターの設置予定位置。天井の穴は、カウンター上部のペンダント照明用


御茶ノ水のビジネスホテル「お茶の水イン」の改装工事を潜入レポートしているこの連載。
いよいよ工事は佳境に入りました。

宿泊室に関しては、現在、3階と5階を施工中で、この2フロアが完了すれば、客室フロアはすべて完成。

それよりも大変なのが、現在進行中の1階の工事だ。営業を続けながら、エントランス、レセプションカウンター、ロビーラウンジの改装工事が進められている。9月26日に始まった1階の工事は、10月4日に完了予定。
本日は、レセプションカウンター付近の床のタイル貼りなどが行われていた。そのため、仮のレセプションカウンターを通常とは別の位置に設置され、営業している。
1階の天井の仕上げはまだ済んでいないが、壁の仕上げはかなり完成している。仮のレセプションカウンター後ろの壁面には、グラデーション柄の壁紙が貼られている。設計者の大塚孝博さんによれば、「この壁紙はヨーロッパのメーカーの製品です。交互に上下反転させて貼る”リャンコ貼り”と呼ばれる貼り方で、グラデーションを強調しています」
近くで見ると、この壁紙の柄のためか、視線が壁で止まってしまわずに向こうへ抜けるような感覚があり、あまり狭さを感じさせない。ちょっとした視覚のトリックだ。


レセプションカウンター前のタイルを貼っている様子


仮のレセプションカウンター。このカウンターはこの後、腰の部分にガラスタイルが貼られ、本来の場所に設置される


壁は仕上がっており、天井はこれから

なお、この後、仮カウンターの奥に見える柱まわりにセルフサービスのコーヒーカウンターが設置される。その工事のために、数日後には仮カウンターを手前に2、3m移動して工事と営業を続ける。

一方、1階エントランス部分では風除室を新設するなどの工事が進行中。そのため、工事期間中は地下の居酒屋のエントランスを利用していた。


新設された風除室


エントランスが工事中の間は、左手の居酒屋へのエントランスを使用している。その仮エントランスを入ると、正面が仮のレセプションカウンター


工事中の外観


入り口付近に貼られている改装工事のお知らせ

さて、これほど大変な工事となると、工事中に1カ月くらい休業するという選択肢はないのだろうかと疑問を持つ人もいるかもしれない。支配人の服部さんに聞いてみた。
「私たちホテル運営者の間では、『少しでも休業してしまうと、その間にお客様が離れてしまう』と言われており、お客様のことを考えると、運営者としてはできれば一日も休業したくないと考えています」
「10年前に改装した際は、大きな設備工事も行ったため、いたしかたなく2カ月ほど休業したのですが、それでも当時は今ほど経済状況が悪くなかったせいもあり、なんとかなりました。しかし近年では、ますます休業することが難しくなっているという実感です」
1階の工事中も通常通り宿泊客が訪れているが、幸いトラブルは起きていないという。

ホテルの改装工事においては、いかに営業を続けながら工事を進行するかというプロジェクトマネジメントの能力が、今後ますます求められそうだ。


10月4日の工事完了後に、再度、各部の傷のチェックや調整をする予定で、正式にリニューアルオープンを掲げるのは10月中旬になる。



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