この店の企画設計におけるイメージづくりの出発点は,躯体の階高の高さがあることと,地下に降りていく店へのアプローチをどのようにオープンキッチンの企画と融合させるかということにあった。そのイメージは,イタリアの家「カ・デル・ボスコ」(森の家,隠れ家)という店名に象徴されるように,イタリアの家庭をイメージコンセプトの柱に据え,家庭的な内装デザインとオープンキッチンをアピールすることを狙った企画である。
オープンキッチンの魅力づくりの基本は,まずいかに料理への期待や魅力を高めることができるかにある。このプランでは,ピザ釜,トッピングテーブルとアンテパスト(前菜),魚介類を演出するためのアイスベッドを店への入り口(階段下)周辺に配して,その演出を展開し,客の食への視覚的刺激を訴求しようとすることである。さらにオープンキッチンのコンセプトは,イタリアの家庭的キッチンに華やかさと装飾を施したイメージとし,全体的にキッチンが開放的に見えるように中央の壁を取り払ったフルオープンスタイルである。
特にキッチンの清潔感とダイナミックなイメージを訴求するために,排気フードは一般的にはステンレスで製作されるが,この店では耐熱ガラスの化粧フードとし,客席からの視線がキッチンの後ろまで通るような開放感ある企画にしている。 |